全熱交換器:エアコン取り外し・取り付け工事用語集

エアコン取り付け工事用語の解説

「全熱交換器」とは空調関連の用語で、ビルや住宅の空調換気に使用される装置で、夏期や冬期には取り入れる外気と室内から排出する空気に温度や湿度ともにかなりの差が生じます。このため、システムには大きなエネルギーと運転費用が掛かっていることになります。
この差が生じている空気間で熱交換をすれば、システムへの負担を減らすことができ、更に設備容量や運転費用をも下げることが可能となり、結果的に省エネルギーへとつながるというものです。

建築基準法・JIS規格化

また、近年その発症率が問題となっている「シックハウス症候群」対策としても有効で、2003年の建築基準法改正で換気設備を常時設置が義務付けされました。熱交換率は一般的に60%~70%程度となっています。
この全熱交換器は2000年7月に、小型と中型がJIS(日本工業規格)により制定され、更に2003年3月の法律改正で、大型全熱交換器(定格風量2000m3/h以上)も制定され、大型施設への設置にも対応できるようになりました。

お役立ち情報

全熱交換器のメリット

換気システムには、空調関連用語で言う「全熱交換式」と「顕熱交換式」があります。全熱交換式は、全ての温度と湿度を交換することで、室内の空調を快適のままキープし続けるシステムのことで、全熱交換器がそれにあたります。また顕熱交換式は、温度のみを交換するシステムで、室内のジメジメ原因である湿気を室外へ排出し、快適な室内温度は逃がしません。

顕熱交換器との違い

全熱交換器が向いているのは、高温多湿の地域に住んでいる方や、ビルや公共施設などで全館空調を検討している方に最適で、顕熱交換器が向いているのは、寒冷地に住んでいる、もしくは夏場にエアコンなどの空調システムをあまり必要としなくても快適な生活を送ることができる地域に住んでいる方、ペットを飼っている方、また将来的に在宅介護などの必要性が考えられる方などに最適です

2003年の法改正により、換気システムの設置が義務付けられているので、家づくりの際にどちらの換気システムを選択すれば良いか建築士と相談すると良いでしょう。