開先加工:エアコン取り外し・取り付け工事用語集

エアコン取り付け工事用語の解説

開先加工とは、十数ミリ程度の厚さの鋼材をアーク溶接する時に、鋼材の縁を加工することを言います。
特にこの場合を「突合せ溶接」とも呼び、単純な材同士の先端部分を接触したのでは着きが悪いので、一定の距離を持って離して行います。溶接される部分に設ける溝のことを開先、またはグルーヴと呼びます。 母材と同一の強度や品質を保つために開先加工は重要であり、溶接不良を伴ってはならず、加工の精度を保つためにもそれ相当の技術が求められます。

溶接前の加工の重要性

この角度を大きくすると溶接の量自体が大きくなり機械的な性質の変化が生じたり、あるいはひずみが生じるもとにもなります。
この開先角度を逆に狭くした場合には作業がし難くなったり、あるいは溶融性が悪くなったりしてスラグの巻き込みを伴って溶接不良を起こす場合も出て来ます。

お役立ち情報

JIS規格

開先加工は1種類だけではなく、JIS規格によってきちんと形状の定めがあります。形状からそれを模し、アルファベットやカタカナ文字に置き換えて表現されることも多くあります。

開先部の形状

たとえば、突合せ溶接の場合は一方に距離を取ってI形という呼ばれ方をします。又、両側を斜めに削った同士の場合にはV形、そして片方だけを斜めに削った場合にはレ形と呼ばれることがあります。 片側を矢じり上にして行う場合はK形と呼ばれ、片方の斜面を湾曲上に掘った場合にはJ形と呼ばれています。
双方共に矢じり状にして付き合わせた場合にはX形と呼ばれ、双方共に斜めに湾曲させた場合にはU形、一方の矢じりの方を湾曲状にした場合には両面J形、双方とも矢じりを湾曲したもの同士を付き合わせた場合には両面U形とかH形とか呼ばれています。

これらの開先角度や精度、並びに湾曲したルート面などの管理は後々の品質に影響を及ぼすことになっています。度重なる繰り返し荷重を受けるようなところでは特に注意が必要となって来ます。
一般の家づくりでは鉄骨部材の接合部や、エアコンの配管溶接において関係してきます。