エアコン取り付け工事用語の解説
全空気方式は機械室に設置した熱交換器により、外部から取り入れた空気を暖めたり冷やしたりして、大きなダクトにより各室へ空気のまま供給する空調の方式です。冷暖房と湿度の管理、新鮮空気の供給をダクトを通して行うため、各室での微妙な調整には不向きで、一般にデパートや劇場などの大型の建築物に使われています。
熱媒体として空気を利用する空調システム
地下などに大きな機械室を設け、冷却・加熱・加湿・送風・浄化の各機械を設置し、パイプスペースにより上下階へ搬送し、天井裏に設置されたダクトにより各室に供給されます。この方式は十分な換気量が確保でき、塵埃や臭気の除去にすぐれ、室内の空気を長時間、継続的に一定の状態に保つことができます。
建物全体を一つの機械室で賄う場合の他、階ごとに空調機を設置したり、同じ階のエリアごとに空調機を設置する場合もあります。また、温風と冷風を別のダクトで供給し、使用室側で調整して利用する方法など、多くの方法が使われています。
お役立ち情報
劇場や体育館などの大型建築への採用
全空気方式で行われる空調は、大型の建築物に使用されるのが通例です。家づくりでは冷暖房にエアコンを用いるのが一般的ですが、専門的にはヒートポンプ式ルームエアコンという用語で呼ばれています。
外部に屋外機を設置し、ヒートポンプ方式により冷媒と呼ばれる熱を運ぶためのガスを温め又は冷やし、冷媒管により室内機まで循環させて、さらに室内機で空気と熱交換をし、実際の冷暖房を行います。冷媒として使われる気体はさまざまなものが開発され、現在はR32と呼ばれるタイプが普及しています。
戸建て住宅での換気は冷暖房と別に行うのが一般的ですが、冷暖房と合わせて換気の機能を持たせるタイプも開発されています。
さらに、一つの室内機で熱交換を行い、その空気を各室にダクトで配分するセントラルタイプは、通常のエアコン方式と全空気方式の性能を兼ね備えた空調方式と言えます。セントラルタイプは一般のものと比べて高価ですが、全館暖冷房ができ、冬季に脱衣室などで冷えた空気にさらされるヒートショックを避けることができるなど、すぐれた面も多い空調方式です。