熱中症は、産熱（身体が熱を作る働き）と放熱（身体の外に熱を逃がす働き）のバランスが崩れたときに起こります。クーラーの環境下に長時間いるとこのバランスを崩しやすくなります。
ここでは熱中症を引き起こしやすくなる冷房の使い方と、その対策について説明いたします。
冷房運転による熱中症の原因
冷房運転の長時間稼働
熱中症は特に高温多湿の環境で起こります。そのため真夏や梅雨明け後の暑い日は注意が必要です。
クーラーを使いすぎると、身体が快適な環境に慣れてしまい高温多湿の状況に対応しにくくなります。状態としては、うまく汗をかけなくなり、身体の熱を放出することができなくなります。
そのため、夏場の気温の高い環境で体温をうまく上げることができず、熱中症を引き起こします。
設定温度と外気温の差に注意
冷房がよく効いた場所と高温多湿の場所を行き来すると、人体は汗をかくことにより体温を調整しようとします。ところが環境の温度差が激しいと体温調整に関係する交感・副交感神経系のバランスが乱れ、最悪自律神経失調症になります。
自律神経失調症となると、夏の暑さに順応するための体温調節機能が麻痺し体温をうまく放出できません。そのため、体に熱を溜めてしまい熱疲労などといった熱中症が引き起こされてしまいます。
クーラーで行う熱中症対策
熱中症は暑い環境下で身体適応の障害を起こした状態を指します。最高気温が33℃を超えると死亡率が上昇するというデータもあります。
先に紹介したように、クーラーの使いすぎは熱中症を引き起こしやすくする要因の１つですが、上手く利用すれば熱中症対策にとても便利な家電です。
ここでは、クーラーが熱中症の原因にならないための、上手な利用方について説明いたします。
設定温度は気持ち高めで
設定温度を低くしすぎると、クーラーが効いている部屋と外気温との差が大きくなります。この差が大きくなるほど交感・副交感神経系のバランスが乱れ、暑さに順応するための体温調節機能が麻痺しやすくなります。
そのため、クーラーの設定温度と外気温の差は5℃以内にすることが好ましいです。猛暑日などの外気温がかなり高い場合の理想的な室温設定は26～28℃といわれています。
外出時は脱着しやすい服装で
外出先等、冷房の設定温度を調節することができない場合は、薄い上着を羽織るなど脱ぎきしやすい服装で温度調節を行えるようにしましょう。
デートなどで、カフェや図書館、映画館等の冷房環境が整っている室内施設を利用する場合も、薄手のカーディンガンを鞄に忍ばせておくと急な冷えによる体調不良の予防に繋がります。
身体を冷やしすぎないようにすることが熱中症対策の基本です。
その他の熱中症対策
ここでは、クーラーの設定以外にできる熱中症対策を紹介いたします。
適度な運動を行う
ウォーキングなど身体にあまり負担がかからない運動を日々心掛けましょう。
適度な汗をかくことで体温調節機能を高め、暑さに順応できる身体を作ることができます。
こまめな水分補給を
夏場の暑い環境下で体内の水分が足りなくなると、体温調整のために汗をかくことができなくなり熱中症を引き起こしやすくなります。
のどが渇いたと感じるときにはすでに水分不足の状態です。水分不足を起こす前に定期的に水分補給を行い、汗をかけるように体内を調整しておきましょう。
また水分だけでなく塩分も一緒に失われるため、スポーツドリンクなどがおすすめです。コーヒーやお茶は利尿作用が含まれているものもあり、水分補給にはあまり向いていません。
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