エアコンの取り外しは、工事業者に依頼した場合、およそ6,000円の費用がかかります。
「自分でエアコンを取り外して、料金を無料にしたい!」と思う方も多いのではないでしょうか?
エアコンの取り外し作業は、基本的に専門の資格等は不要で誰でも行うことが可能です。
下記の手順でエアコンの取り外し作業ができます。
- エアコンの搬出経路を確保する
- 室内機の下に養生マットを敷く
- 室外機の側面カバーをドライバーを使って開ける
- ポンプダウンで冷媒ガスを回収する
- 電源プラグをコンセントから抜く
- 外したバルブキャップを付け直す
- 室外機を取り外す
- 室内機を取り外す
- 配管パイプを養生する
所用時間は不慣れな方でも40分~1時間程度で作業を終えることができます。
自分で行えば、道具類を買いそろえるための1,000~2,000円程度の費用で取り外し工事が可能です。
この記事では、エアコン取り外し工事を自分で行う方法を解説します。
※注意※
自分でエアコンを取り外す場合には、メーカーが発行する据付説明書や取扱説明書をよく読んで、慎重に取り外してください。
またエアコンの取り外しに失敗すると、エアコンの故障や事故を引き起こす危険があります。
エアコンの種類などによっては自分で行わず、専門業者に依頼した方が良いケースもあります。
中には危険な作業も伴うため、無理をせず、専門業者に依頼をした方がおすすめです。
エアコンの取り外しに必要な道具
まずはエアコンの取り外しに必要な道具・工具を紹介します。
エアコンの取り外し作業に特殊な工具は不要です。
いずれも近所のホームセンターや100円ショップで購入できるもので十分取り外し作業ができます。
エアコンの取り外しに必要な道具は以下の通りです。
<エアコンの取り外しに必要な道具>
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
- モンキーレンチ
- 六角レンチ
- カッター
- ペンチ
- ビニールテープ
- 脚立
- 軍手
- ゴミ袋
- パテ
いずれもご自宅にある道具で代用できます。
モンキーレンチやドレンホースの穴埋め用のパテはご自宅にない家庭も多いかと思いますが、ホームセンターでどちらも1,000円程度で購入できます。
お持ちでない方は通販なども活用して購入しましょう。
エアコンの取り外しの手順
ではエアコンの取り外し作業を解説します。
エアコンの取り外しは、長くても60分ほどで完了します。
下記の手順でエアコンを取り外すことができます。
- エアコンの搬出経路を確保する
- 室内機の下に養生マットを敷く
- 室外機の側面カバーをドライバーを使って開ける
- ポンプダウンで冷媒ガスを回収する
- リモコンでエアコンの電源を切る
- 電源プラグをコンセントから抜く
- 外したバルブキャップを付け直す
- 冷媒ガスが回収できているか確認する
- 室外機を取り外す
- 室内機を取り外す
難しい作業は少ないですが、手順通り丁寧に作業しないと、エアコンの故障につながるだけでなく、コンプレッサの爆発などによって大きな怪我をする危険があります。
手順は飛ばしたりせず、順番通りに作業するようにしてください。
各手順について詳しく解説していきます。
エアコンの搬出経路を確保する
まずはエアコンの室外機の設置場所から撤去するまでの搬出経路を確保してください。
搬出経路が確保できないと、エアコンを取り外しても、室外機を撤去できず、結局専門業者の力を借りることになってしまうことがあるからです。
とくにエアコンを設置してから、隣に新しい建物が建ったり、草木が生えて障害になっていたりすると、室外機を安全に運び出すことができません。
いきなりエアコンの取り外し作業に入るのではなく、まずは搬出経路を確認し、室外機を安全に運び出せるかどうか確認しましょう。
また室外機周辺も十分な作業スペースを確保できるかどうかも併せて確認するようにしてください。
室内機の下に養生マットを敷く
エアコンの室内機の下に、養生用のマットを敷いてください。
室内機の取り外しは、脚立に乗って行います。
マットを敷いていないと、脚立の脚や落下した工具で部屋の床を傷つける可能性があるため、必ずマットを敷くようにしてください。
また、養生マットを敷くことで、室内機から落ちるホコリもカーペットで受けることができます。
室外機の側面カバーをドライバーを使って開ける
準備ができたら取り外し作業に入ります。
まず、エアコン室外機の側面にあるカバーをプラスドライバーで丁寧に外してください。
室外機は屋外に設置されているため、金属部分がサビてしまっていることがあります。ネジがサビついてしまっていると、硬く外れにくなってしまい、無理に外そうとすると、ネジの頭がつぶれてドライバーで外せなくなってしまいます。
ネジがさび付いてしまっている場合は、防錆潤滑剤を噴霧するなどして、外すようにしてください。
Amazon | KURE(呉工業) 5-56 (320ml) 多用途・多機能防錆・潤滑剤 [ 品番 ] 1004 | 潤滑剤・作動油 | 車&バイク
この際、電源コードなどに触れてしまうと、感電してしまう恐れがあります。
不用意に触れないように注意してください。
また外したネジは取り付け時で使うので、無くさないように保管してください。
ポンプダウンで冷媒ガスを回収する
室外機のネジを外すことができたら、ポンプダウンの作業に入ります。
ポンプダウンとは、エアコンの配管内を循環している冷媒ガスを、室外機の内部に閉じ込める作業のことです。
エアコンの冷媒は主にフロンガスが用いられています。フロンガスは地中温暖化を引き起こす、温室効果ガスの1種です。
仮にポンプダウンを行わずにエアコンを取り外すと、フロンガスが大気中に漏れ出し、オゾン層の破壊、地球温暖化につながってしまいます。
また冷媒ガスが漏れ出て、十分に充填されていないエアコンは、冷暖房効率が大きく低下してしまいます。
ポンプダウンは法律に定められた大事な作業なので、丁寧に行ってください。
ポンプダウンの手順は下記の通りです。
- 2本の配管のバルブキャップを外す
- 強制冷房運転をする
- 送り側(細い方)の配管のバルブを締める
- 2~3分間強制冷房運転を続ける
- 受け側(太い方)の配管のバルブを締める
- 速やかにエアコンを停止する
ポンプダウンの作業を誤ると、冷媒ガスが漏れ出たり、コンプレッサーに過負荷がかかったりし、最悪の場合、爆発事故につながる恐れもあります。
エアコン取り外し作業の中でも最も重要な作業に当たるので、注意して作業を行ってください。
2本の配管のバルブキャップを外す
先ほど外したカバーを開けると、2本の配管が室外機に接続されていることが確認できます。
接続部分に六角形のバルブキャップが取り付けられているので、2つともモンキースパナを使って反時計回りに回して外してください。
この際、誤って配管が接続している六角ナットの方を外さないよう注意してください。
サビついて回しにくくなっている場合は、モンキースパナを2本使い、固定するようにして回すと外れやすくなります。
キャップが外れると中央に穴の開いたバルブ(弁)が見えます。
外したバルブはあとで再び付け直すため、無くさないように注意してください。
強制冷房運転をする
バルプキャップを開けたら、室内機側に戻り、リモコンを使い設定温度を最低にして冷房運転をしてください。
冷房運転をすることで、エアコン内部に充填されている冷媒ガスを循環させることができます。
この際、暖房ではなく、必ず冷房運転をしてください。
夏場の場合は通常通り、冷房のボタンを押せば問題ありませんが、外気温が低い冬場は冷房のスイッチを押しても室外機のファンが回らず冷房運転ができなくなってしまいます。
この場合、エアコンに搭載されている“強制冷房運転”の機能を使う必要があります。
強制冷房運転はどのエアコン機種にも搭載されている機能ですが、起動方法はメーカーや機種によって異なります。
下記でメーカー別の強制冷房運転の方法や問い合わせ先を掲載しているので参考にしてください。
室内機の吹き出し口から冷風が出ており、室外機のコンプレッサーも稼働していれば、強制冷房が作動しています。
メーカー別強制冷房運転の方法
メーカー名 | 強制冷房運転の方法 | 問い合わせ先 | ||
---|---|---|---|---|
ダイキン工業 | ダイキンコンタクトセンターへ問い合わせ |
電話での問い合わせ:0120-881-081 メールでの問い合わせ:問い合わせフォーム |
||
パナソニック | 室内機の前面パネルを開き、応急運転ボタンを、「ピッ」と音が鳴るまで5秒以上押し続ける(2000年以降の商品) |
電話での問い合わせ:0120-878-692 メールでの問い合わせ:問い合わせフォーム |
||
日立 | Xシリーズの場合:フロンパネルを開いた右下にある応急運転スイッチを5秒以上長押し(タイマーランプが2回点滅するまで) 応急運転スイッチの位置は機種により異なるため、お使いの機種の取り扱い説明書を参照 |
電話での問い合わせ:0120-3121-11 携帯電話からの問い合わせ:050-3155-1111 LINEでの問い合わせ:友だち追加 |
||
東芝 | 詳しい方法はこちらを参考にしてください。 |
電話での問い合わせ:0120-1048-00 携帯電話からの問い合わせ:0570-78-3885 |
||
富士通 | 室内機前面パネルの運転表示部分の近くか、前面グリルを開けたところにあるボタンを確認する(「運転/停止」、または「ON/OFF」の表示) 電源を入れたあと、ボタンを5秒以上押しつづける(5秒後に「ピッと音がする) ※ボタンの近くに、『強制冷房運転』という名称か、作動方法が表示されています。 |
電話での問い合わせ:0120-81-1539 フォームでの問い合わせ:問い合わせフォーム |
||
三菱電機 | 詳しい方法はこちらを参考にしてください。 |
電話での問い合わせ:0120-139-365 携帯電話からの問い合わせ:03-3414-9665 |
||
シャープ | 室内機のオープンパネルを開けた内部、もしくは室内機本体底右端部にある応急運転ボタンを5秒以上押し続ける。 |
電話での問い合わせ:0120-078-178 携帯電話からの問い合わせ:0570-550-449 |
||
コロナ | リモコンのふたを開き、針のような先が細いもので「試運転」のボタンを押す ボタンがない場合はリモコンの「風量設定」ボタンを押しながら「運転/停止」ボタンを押す |
電話での問い合わせ:0120-919-302 |
送り側(細い方)の配管のバルブを締める
強制冷房運転を開始させたら、運転させたままの状態で室外機側に回り、細い方の配管バルブを六角レンチで時計回りに回して締めてください。
細い方の配管は冷媒ガスを送る役割を果たす配管のため、バルブを締めることでエアコン内に新しい冷媒ガスが届かなくなります。
バルブはしっかり締めておかないと、冷媒ガスが漏れてしまうため、回らなくなるまで締めてください。
ただしあまりきつく締めてしまうと、バルブが破損しかえってガス漏れの原因となってしまいます。
ガチガチにレンチを締めるのではなく、レンチが回らなくなってから、もうひと力加えて締める程度の力加減でバルブを締めてください。
この際、間違って太い方のバルブを締めないようにしてください。
太いバルブは受け側の役割を持つバルブのため、冷媒ガスを室外機の中に閉じ込めることができず、配管内に閉じ込められることになってしまいます。
ガス漏れの原因となるため、必ず細い方の配管を締めるようにしてください。
また、太い方の配管バルブはこの時点ではまだ絶対に締めないようにしてください。
太い方のバルブも締めてしまうと、エアコンのコンプレッサーに負荷がかかり爆発事故の原因となってしまいます。
必ずこの時点では、細い方の配管だけを締めて、太い方の配管は何も作業しないようにしてください。
2~3分間強制冷房運転を続ける
送り側の配管バルブを締めたら、2~3分間冷房運転を続けてください。
運転を続けることで、配管内や室内機内部にたまった冷媒ガスを室内機内に送りだすことができます。
受け側(太い方)の配管のバルブを締める
強制冷房運転を2~3分稼働させたら、太い方の配管バルブを締めてください。
これにより、室外機にフタをする形となり、室外機の中に送り出した冷媒ガスを閉じ込めることができます。
要領は「送り側(細い方)の配管のバルブを締める」で解説した作業と同じで、六角レンチでバルブを締めてください。
この際、締め方が緩いとガス漏れの原因となるため、しっかり締めるようにしてください。
冷媒ガスが回収できているか確認する
2つのバルブを締めたら、太い配管にあるサービスポートと呼ばれる部品で、冷媒ガスを閉じ込めることができたかどうかを確認できます。
ガスの回収確認には、ゲージマニホールドと呼ばれる圧力計を用いる方法もあります。
ただし、なかなか一般家庭にはない器具なうえ、購入しようとすると1万円近くかかるため、ここではゲージマニホールドを使用しない確認方法を紹介します。
サービスポートは太い配管の方の、エアコン側とは逆側にある接続部品のことを指します。
サービスポートの穴の真ん中に細い棒状のものがあります。
虫ピンと呼ばれる部品で、このピンをレンチなどで押すとガスが噴射します。自転車のタイヤにも同様の部品があるのでイメージしやすいかと思います。
閉じ込めに成功していると、わずかにシューという音がしますが、次第に音が弱くなります。この場合、配管から室内機までの間に冷媒ガスがなくなった証となるため、次の作業に入ってください。
しかし閉じ込めが正しくできていないと、ガスが結構な勢いで噴出し続けます。
この場合、室外機内に冷媒ガスを閉じ込めることに失敗している可能性が高いです。
もう一度、太い配管→細い配管の順にバルブを緩めて、「強制冷房運転をする」の手順からやり直してください。
速やかにエアコンを停止する
冷媒ガスの閉じ込めを確認出来たら、リモコンを使って速やかにエアコンを停止させてください。
2つの配管を閉じた状態で、エアコンを稼働させ続けると、室外機内のコンプレッサーに過負荷がかかり、故障の原因となるだけでなく、最悪の場合爆発事故を引き起こす原因となります。
エアコンを稼働させ続けず、速やかにエアコンの稼働を停止させてください。
ここまで出来たら、ポンプダウンの作業が完了します。
電源プラグをコンセントから抜く
ポンプダウンが完了したら、これ以降はエアコンを稼働させる作業は実施しないため、室内機の電源プラグをコンセントから抜いてください。
のちほど電源コードの切断などを行うため、必ず忘れないようにしてください。
忘れてしまうと、感電事故の原因となります。
絶対に忘れずにコンセントからプラグを抜くようにしてください。
外したバルブキャップを付け直す
「2本の配管のバルブキャップを外す」で外したキャップを付け直してください。
要領は外した時とは逆で、モンキースパナを使って左回り(反時計回り)に回して付けてください。
室外機を取り外す
ここまでできたら室外機・室内機の取り外し作業に入ることができます。
まず室外機は下記の作業で取り外しを行います。
<室外機を取り外す方法>
- 室外機の配管(銅管)を取り外す
- 室外機の配線を取り外す
取り外し作業に入る前に、もう一度「冷媒ガスが回収できているか確認する」を行って下さい。
ポンぴダウンに失敗していると、配管を取り外す作業の際に、冷媒ガスが勢いよく漏れだし、最悪の場合、やけどや失明の原因となってしまうことがあります。
室外機内に冷媒ガスを閉じ込めたことを確認し、取り外し作業に入りましょう。
室外機の配管(銅管)を取り外す
まずは配管と室外機を取り外します。
細い配管→太い配管の順に配管を取り外してください。
配管はバルブキャップ側ではなく、配管が接続されているナットを左回り(反時計回り)に回して外してください。
この際、外した瞬間に短くプシュッと音が鳴れば成功です。
勢いよくブシューっと音が鳴ってしまうとガスが漏れている可能性が高いので、「ポンプダウンで冷媒ガスを回収する」から作業をやり直してください。
ナットを外した後は、室外機側、配管側両方の接続口にテープを巻き付けて口を保護してください。
保護しないと、接続口にゴミや水が入り込み、故障の原因となってしまいます。
室外機の配線を取り外す
続いて室外機と電力コードの取り外しを行います。
関電の恐れがあるため、事前にエアコンの室内機の電源プラグがコンセントから取り外しているかどうか再確認してください。
カバーないの上部に黒・白・赤色の3本の電源コードが接続されているのが確認できると思います。
まず、3本の配線を固定している部品をプラスドライバーで外します。
その後、室外機と配線を接続している白いパーツをマイナスドライバーで押し込みながら、配線を下に引っ張ると配線を抜くことができます。
取り外した配線は、同様にテープで先端を保護して、配線がつぶれてしまわないようにしてください。
エアコンを再利用せず、処分する予定の場合は、ペンチなどで切断しても問題ありません。
切断する場所は接続部位から10㎝以上離した灰色のコード部分で切断するようにしてください。
その際、3本まとめて切断してしまうと、電源プラグを抜いていても、ショートする危険があるため、一本ずつ切断するようにしてください。
室外機を撤去する
配線を切断できたら、室外機を撤去します。
台座などに固定されている場合は、台座のボルトを外してください。
この際、室外機を傾けたり、横向きに置いたりすると、故障の原因となります。
再利用を予定している場合は、保管方法にも注意してください。
室内機を取り外す
室外機の取り外しができたら、続いて室内機の取り外しを行います。
室内機の取り外しは下記の流れで行います。
- 化粧カバーを取り外す
- 室内機側のドレンホースを取り外す
- 室内機を壁から取り外す
- 据え付け板をドライバーで外す
- 壁の配管穴をパテ埋めする
化粧カバーを取り外す
ドレンホースや配管を覆う化粧カバーを取り付けている場合は、ドライバーなどで化粧カバーのネジを取り外してください。
この際、壁の穴をふさぐパテなども簡単に取り除けるので一緒に取り外してください。
室内機側のドレンホースを取り外す
まず、室内機側のドレンホースを取り外します。
ドレンホースとは、水を外へ排水するたに屋外の排水口へ向けられたホースのことを指します。
ドレンホースは本体側のホースと、後から追加で接続されたドレンホースの2つで出来ています。
ビニールテープなどで、2本が接続されていることが多いので、つなぎ目を見つけたらカッターなどでテープを外して分解してください。
この際、ドレンホース本体を傷つけてしまわないように注意してください。
心配な場合はカッターを使わず、テープをほどくなどして分解するのがおすすめです。
テープをほどくのが難しい場合は、カッターなどで切断することもできます。
この際、エアコン側のドレンホースを切断してしまうと再利用ができなくなってしまいます。
必ず室外機側のドレンホースを切断するようにしてください。
わずかに色や材質が異なるので、見分けるようにしてください。
エアコンの再利用予定がなく、処分する予定の場合は、カッターなどでドレンホースを切断しても問題ありません。
室内機側の配管(銅管)を切断する
ドレンホースを取り外しできたら、室内機側の配管をニッパーなどで切断して取り外します。
ドレンホース同様、再利用する場合はエアコン側の配管は切断せず、室外機側の配管を切断するようにしてください。
ナット等で接続されている場合が多いので、切断する際はナットよりも10㎝ほど屋外側の部分で切断するようにしてください。
室内機を壁から取り外す
ドレンホースや配管を切断出来たら、室内機を壁から外すことができます。
室内機は高い場所にあり、危険な作業となるため、安定した脚立にのって取り外し作業を行うようにしてください。
室内機は壁に固定された据え付け板にかみ合うようにして固定されています。
取り外しはメーカーによっても方法が若干異なりますが、基本的に室内機を下から上に押し上げることで据え付け板から取り外しができます。
エアコン室内機はだいたい10kg前後あるため、取り外した際、重みでバランスを崩してしまいやすいです。
また取り外しながら屋外へ出ているホースも一緒に取り出す必要があるため、少し工夫が必要になります。
女性一人だと少し危険な作業になってしまうため、男性がいる場合は力のある男性に依頼しましょう。
またこの際、エアコン内部にたまった水が漏れ出てくることがあります。
驚いて手を放してしまったり、バランスを崩してしまわないように注意してください。
取り外したエアコンからも水が少しずつ漏れてくる場合があるため、大きめのバスタオルの上に置くなどして、床を保護するようにしてください。
据え付け板をドライバーで外す
室内機を取り外したら、壁に取り付けられた据え付け板を外します。
据え付け板はネジで固定されているので、ドライバーで一つひとつ外すことで、取り外しが可能です。
ただし、取り外した瞬間に落下する危険があるため、外す際はしっかりと押さえつけながらネジを取り外すようにして下さい。
取り外した据え付け板は、再びエアコン室内機に取り付けることで保管が楽になります。
壁の配管穴をパテ埋めする
最後に穴の開いた壁をパテ等で埋めることで、完了します。
配管パイプを養生する
最後に、残ったホースや配管の接続口をテープなどで養生してください。
先述した通り、ごみや水が入ると故障の原因となります。
取り外した室内機や配管は雨にぬれないように保管してください。
自分で取り外しせずに業者に依頼した方が良いケース
ここまでは、エアコンの取り外し方法をご紹介してきました。
しかし、基本的にエアコンの取り外しは、工事の経験のない素人の方にはおすすめできません。
エアコンの取り外し工事を誤ると、大きな事故を引き起こす恐れがあるからです。
自分でも可能ですが、とくに下記のようなエアコンの場合は専門業者へ依頼するようにしてください。
- 屋根置き・壁面付け・天井吊り下げタイプのエアコン
- マイナスドライバー
- 作業スペース・撤去経路が狭い
それぞれ詳しく紹介します。
屋根置き・壁面付け・天井吊り下げタイプのエアコン
撤去の難しい位置に室外機がある場合は、非常に危険な作業になるため、専門業者に依頼してください。
下記のような場所に室外機がある場合は自分で取り外し作業を行わないようにしてください。
- 屋根置きタイプ
- 室外機が屋根上に設置されているタイプ
高所作業となるため転落の危険がある - 壁面付けタイプ
- 室外機が地面の上ではなく、家屋の壁面に取り付けられているタイプ
屋根置きタイプ同様、高所作業が必要で、作業スペースも狭いため、素人が行うには危険 - 天井吊り下げタイプ
- 室外機が天井から吊り下げられているタイプ
作業スペースが狭く、重い室外機を取り外すために、危険な作業が伴う
作業スペース・撤去経路が狭い
地面に室外機が設置されているケースでも、作業スペースが狭かったり、撤去経路が確保できない室外機の場合は自分で取り外し作業を行わないようにしてください。
手順を紹介した通り、エアコンの取り外しには一定の作業スペースが必要です。
室内機側と室外機側を往復するため、室外機側の作業スペースを確保できていないと、作業時間がかかります。また撤去する際も一苦労となってしまいます。
専門業者に依頼した方が効率的に取り外し作業を行ってくれるので、作業スペースも見て依頼するようにしてください。
10年近く使用したエアコン
10年近く使用したエアコンも自分で取り外し作業を行わないようにしてください。
エアコンの耐用年数は10年ほどといわれていますが、部品の劣化等で、思わぬ事故につながる危険性があるからです。
手順通り作業しても、ガス漏れが生じたり、室内機が落下してきたりすることがあります。
思わぬ事故につながる恐れがあるので、10年以上の古いエアコンの取り外しは専門業者に依頼するようにしてください。
エアコンを取り外すときの注意点
ここまでは、エアコンの取り外し方法をご紹介してきました。
自分で作業することも可能ですが、基本的にエアコンの取り外しは、工事の経験のない素人の方にはおすすめできません。
エアコンの取り外し工事を誤ると、大きな事故を引き起こす恐れがあるからです。
その中でも最も注意が必要なのが、エアコンのコンプレッサの破裂です。
エアコンの取り外しで、配管を締める作業を誤ったことで、室外機が破裂して家の窓ガラスが割れたり、作業をしていた方がけがをしたりしたというケースが、2010~2013年の間に4件も報告されています。(事故情報データバンクより)
また、エアコンのコンセントといった電気系統の工事を行うには、電気工事士の資格が必要です。
ここまででご説明した工事以外の電気工事が必要になる方は、工事業者への依頼をお願いします。
業者にエアコン取り外しを依頼する際の費用
エアコン取り外しを工事業者に依頼する場合の費用は以下のとおりです。
エアコン取り外しの費用相場 | 6,600円~13,200円(税込) |
---|
また、新しくエアコンの購入する予定がある方は、家電量販店にエアコンの取り外しを依頼することもできます。
まとめ
ここまで、エアコンの取り外し作業について解説しました。
全体の流れをまとめると下記の通りとなります。
<自分でエアコン取り外し作業を行う方法>
- エアコンの搬出経路を確保する
- 室内機の下に養生マットを敷く
- 室外機の側面カバーをドライバーを使って開ける
- ポンプダウンで冷媒ガスを回収する
- 電源プラグをコンセントから抜く
- 外したバルブキャップを付け直す
- 室外機を取り外す
- 室内機を取り外す
- 配管パイプを養生する
エアコン取り外し作業は自分でも40分から1時間で可能です。
しかし中には危険な作業も含まれるため、基本的には専門業者への依頼がおすすめです。
下記から取り外し工事の無料見積もりが可能なので、「自分でやるのは難しそう」と感じた方は依頼してみてください。
<全国のエアコン取り外し業者一覧>
【対応都道府県の一覧】
関連記事一覧
- エアコンの処分費用と無料で回収してもらう方法
- エアコンを処分するときには、リサイクル料を支払うことが家電リサイクル法で定められています。
エアコンの処分費用はいくらかかるのか?無料で回収してもらうことはできないのか?をご紹介します。 - 家庭用エアコン取り外し工事の費用と相場
- エアコンの取り外しにかかる費用は、標準工事費用、追加工事費用、処分費用の3つの費用の合計で決まります。
エアコン取り外し工事の相場はいくらくらいなのかをご紹介していきます。 - エアコンの移設費用
- エアコンを取り外し、また取り付ける工事のことを移設といいます。
エアコンの移設をするための費用はどれくらいかかるのでしょうか?ご紹介していきます。