エアコンを取り付ける際に、必ず考えなければならないのが室内機の取り付け位置。
どこに取り付けたら良いのかわからない!と困ってしまう方も多いのではないでしょうか。
エアコンの効きは取り付け位置によって変わります。
そのため、室内機の取り付け位置を誤ると、エアコンの運転効率は下がり、結果的に電気代が割高になってしまいます。
今回は、エアコンを効率良く使うための室内機の取り付け位置の選び方をご紹介します。
正しい位置に室内機を取り付けて、エアコンを効率的に使いましょう!
運転効率のよいエアコンとは?
運転効率の高いエアコンとは、電力消費の無駄がなく、本来の省エネ性能を発揮しているエアコンを指します。
エアコンの省エネ性能を表す指標として、APF(通年消費エネルギー)という数値があります。
通年エネルギー消費効率とは、JIS C9612に基づき、ある一定の条件(※1)の元にエアコンを運転した時の消費電力1キロワット当たりの冷房・暖房の能力を表わしたものです。
この値が大きいほど、省エネ性能が高いということになります。
※1一定の条件は、JIS C9612に明記しています。
詳しくは、JISC(日本工業標準調査会)に確認をお願いします。
JISC(日本工業標準調査会)
このAPF値の通りの効率で運転ができている場合、エアコンは本来の性能を発揮しており、運転効率が良いといえます。
資源エネルギー庁が発表している省エネ性能カタログ2015年冬版によると、エアコンのAPF値の平均は以下の通りです。
- 8~12畳用・・・APF6.3
- 11~17畳用・・・APF5.6
同じ8畳用エアコンでも、省エネ性能の高いエアコンのAPF値とは大きな差が出ます。
例えば、日立の8畳用エアコンRAS-X25GのAPF値は7.6です。
しかし、せっかく省エネ性能の高いエアコンを買ったとしても、取り付け位置を誤った場合、本来の電力効率を発揮することはできません。
その結果、運転する際により多くの電気量を必要とし、電気料金も割高になってしまいます。
この電力の無駄を防ぐために、エアコンの室内機は正しい位置に取り付けなければなりません。
エアコン室内機を取り付けられる場所とは?
しかし、エアコン室内機はどこにでも取り付けられるわけではありません。
室内機を取り付けることができるのは、以下の3つの条件全てを満たした位置になります。
- 壁に開いた配管穴よりも高い場所であること
- エアコン専用コンセントの近くであること
- 火災報知機よりも1.5m以上離れた場所であること
それぞれの条件について、詳しく説明していきます。
壁に開いた配管穴よりも高い場所に取り付ける
エアコン室内機の取り付け位置は、壁に開いた配管穴よりも高い位置でなければなりません。
エアコン運転時に、室内機はドレン水と呼ばれる排水を作り、配管穴を通してそれを部屋の外に排出します。
しかし配管穴のほうが室内機よりも上の位置あった場合、ドレン水が逆流してしまい、室内機からの水漏れを引き起こします。
そのため、室内機の取り付け位置は配管穴よりも高い位置を選びましょう。
なお、壁に配管穴が開いていない場合は、エアコンの取り付け工事業者に穴あけ工事を依頼してください。
エアコンの設置場所に適した位置に穴を開けてもらえます。
エアコン専用コンセントの近くに取り付ける
エアコンを使用するためには、エアコン専用の単一回線のコンセントが必要です。
そのため、室内機を設置する場所は、専用コンセントにケーブルが届く範囲でなければなりません。
延長コードの使用は出火を引き起こす危険性があるため禁止されています。
室内機のケーブルの長さは、エアコンの機種によって異なります。
例えば、富士通ゼネラルのエアコンの場合は、電源ケーブルの長さは室内機に対して右方向なら1.4m、左方向なら1.0mとなっています。
室内機の取り付け位置は、電源ケーブルの長さを確認してから決めてください。
火災報知機よりも1.5m以上離れた場所に取り付ける
エアコン室内機は、火災報知機から離れた場所に取り付けてください。
火災報知機と室内機の距離が近い場合、火災報知機はエアコンの風の影響を受けて、火災の煙を正確に検知できなくなる危険性があるからです。
以上3つの条件全てを満たした場所にしか、エアコンの室内機は取り付けることができません。
限られた場所の中で、エアコンが最も効率的に稼動できる場所はどこか、これからご紹介するチェックポイントを参考に探してみてください。
理想的なエアコン室内機の取り付け位置
エアコンが本来の性能を発揮する、理想的な室内機の取り付け位置は以下の2点に当てはまる場所です。
- エアコン内部で空気の温度を下げる時の電力効率が良い
- 風通しが良く、エアコンから送り出した冷風が滞りなく部屋の中に行き渡る
それでは、上記2点を満たす場所を選ぶためのチェックポイントをご紹介します。
効率的な室内機の取り付け位置を選ぶためのチェックポイント
エアコンが効率的に稼動できる室内機の取り付け位置を選ぶために、確認すべきチェックポイントは以下の通りです。
- 室内機の周りに通気スペースがあること
- 室内機と室外機が近い位置に設置されていること
- 室内機は部屋の壁の短辺のほうに取り付けること
- 暖房運転をする場合、エアコンの下に障害物がないこと
それぞれのポイントについて、詳しく説明していきます。
室内機の周りに通気スペースがあること
室内機は天井やカーテンレール等から一定の間隔を開けて設置してください。
室内機の周りにスペースを設けなければ、エアコンの電気効率は著しく低下してしまいます。
エアコンは、室内機にて部屋の空気を吸い込み、取り込んだ空気を室外機で冷やして、室内機から冷たい空気を部屋の中に再度送り込むことで、部屋の温度を下げる仕組みになっています。
しかし、室内機の周りにスペースがなければ、室内機は十分な量の空気を取り込むことができなくなります。
その結果、エアコンは少量の空気しか部屋の中に送り込めなくなるため、部屋の温度を効率的に下げることができなくなります。
このようなことを避けるため、室内機の周り四辺には、一定のスペースを設けましょう。
必要なスペースは機種によって異なりますが、5cm程度が目安とされています。
室内機と室外機は近くに設置されていること
前述の通り、エアコンは室外機で冷たい空気を作り、室内機を通してそれを部屋の中に届けています。
しかし、室外機と室内機の距離が離れている場合、室外機と室内機の間をつなぐ配管の長さは長くなります。
その結果、室外機で冷やした空気は、配管を通っている間に温もり、部屋に届く時には温度が上がった状態になってしまいます。
室外機で作った冷風を効率的に部屋に届けるためには、室外機と室内機はできる限り近い位置に設置してください。
エアコンは壁の短辺に取り付けること
エアコンの風で効率的に部屋の温度を下げるには、風が送られる面積を広くしなければなりません。
そのためには、部屋の壁の短辺側のほうに室内機を取り付けることが効果的です。
エアコンの風が当たる面積を増やすことで、より短時間で部屋の温度を下げることができます。
暖房運転時、エアコンの取り付け場所の下に障害物がないこと
空気の性質上、冷たい空気は部屋の足元に、暖かい空気は部屋の天井近くに滞ります。
エアコンを効率的に使うためには、この空気溜まりをかき混ぜて、部屋の中の温度差をなくすことが大切です。
そのため、冷房運転時の風向きは天井に向かって水平に、暖房運転時は床に向かって垂直に風を送ることが効果的とされています。
しかし、暖房運転時にエアコンの真下に障害物がある場合、温風は足元まで下りることができません。
その結果、暖房運転を続けていても、部屋の足元は冷たいままになってしまいます。
足元から暖めて快適に暖房を使うために、室内機は真下に障害物がない位置に取り付けましょう。
建物タイプ別のエアコン取り付け位置の選び方
エアコンを取り付けられる場所は、建物のタイプによっても異なります。
ここでは、さらに建物のタイプに応じた取り付け位置の選び方もご紹介していきます。
マンションのエアコン取り付け位置の選び方
マンションでエアコン取り付け位置を選ぶ場合には、以下の手順で考えてください。
- 配管穴の位置を確認する
- エアコン室外機を取り付けられる位置を決める
- 前述の条件を満たすエアコンの取り付け位置を探す
マンションは多くの場合、配管穴と室外機の取り付け位置があらかじめ決められています。
そのため、室内機を取り付けることができる場所も限られているケースが多いです。
また、室内機の取り付け場所が限られているために、大きな室内機を設置することができない物件もあります。
マンションにお住まいの方は、エアコンを購入する前に取り付けることができるエアコンのサイズも確認しておくことをおすすめします。
新築一戸建てのエアコン取り付け位置の選び方
マンションとは異なり、新築一戸建ての場合は、エアコンの取り付け位置を自由に選ぶことができます。
そのため、ご自宅での居住スペースを想定して、エアコン室内機の取り付け位置を選びましょう。
新築一戸建てのエアコン取り付け位置の選び方は以下の通りです。
- 居住スペースを確認して、エアコン室内機の設置場所を決める
- エアコン室内機の近くで、室外機の設置場所を設ける
- 配管穴の位置を決める
ただし、配管穴の位置決めには注意が必要です。
住宅はいくつかの柱と、それを支える筋交いという部材で強度を保っています。
しかし、誤って配管穴を柱や筋交いの上に開けてしまった場合、家の強度を大幅に落としてしまいます。
そのようなことを避けるために、配管穴の位置を決める際には住居の設計を確認し、専門業者と相談しながら穴あけを行ってください。
以上がエアコンの取り付け位置の選び方です。
エアコンを取り付ける位置が決まったら、専門業者に訪問見積もりを依頼してください。
あなたの住居の状況を見ながら、最適なエアコンの取り付け場所はどこか確認してもらうことができます。
運転効率の悪いエアコンを改善する方法
エアコンの効きが悪い場合、原因としては以下の二点が挙げられます。
- 部屋の風通しが悪く、エアコンの風が部屋に行き届かない
- エアコンの電力効率が悪く、冷たい空気を作れていない
風通しに問題がある場合は、部屋に扇風機やサーキュレーターを置くことをおすすめします。
扇風機・サーキュレーターで部屋の中の空気を循環させると、エアコンから送り出した風がいち早く部屋中に行き渡り、効率的に部屋の温度を変えることができます。
エアコンメーカーのダイキンが行った調査では、暖房運転時に部屋にサーキュレーターを設置したことで、部屋の床温度が2℃上がるという結果が出ております。
詳しくはダイキン工業の【冬の節電「エアコン暖房の賢い使い方を検証せよ!」】をご覧ください。
それに対して電力効率に問題がある場合は、原因として室外機・室内機の配置ミス、またはエアコン本体の故障が疑われます。
その場合は専門の業者に連絡して、修理や取り付け場所の見直しを行いましょう。
取り付け位置に問題がある場合は、エアコンの設置場所を変更する、エアコン移設工事も依頼することができます。
専門の業者までお問い合わせください。
エアコン取り付け業者を選ぶコツ
エアコンの取り付け工事費用は、取り付け業者によって大きく異なります。
そのため、エアコン工事費用を安くするには、最低でも3社の工事業者の見積もりを比較しなければなりません。
しかし、複数の業者に連絡し、その都度ご自宅の状況を詳細に説明するのはとても手間がかかります。
そこで、一度の電話で複数の業者の見積もりを比較するには、エアコン工事の一括見積もりサービスを使うのがおすすめです。
エアコンサポートセンターならば、一本のお電話だけで最大5社のエアコン取り付け業者の見積もりを比較することができるため、短い時間で簡単に、最安値の業者を見つけることができます。
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