エアコン室外機の設置場所がない!そんな時に知っておくべき5つの設置方法

エアコン室外機の設置場所がない!そんな時に知っておくべき5つの設置方法

突然ですが、あなたはもうエアコン室外機をどこに取り付けるか決めましたか?
中には、室外機の置き場所がなくて、「エアコンを取り付けられないかもしれない!」と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。

しかし、室外機の置き場所がない方も、まだ諦める必要はありません!
地面に置く以外にも、エアコン室外機にはいろいろな設置方法があるからです。

この記事では、エアコンの室外機を置く場所がなくてお困りの方のために、いろいろな室外機の設置方法をご紹介していきます。

エアコン室外機の詳しい設置方法については、以下でご説明していきます。

そもそも理想的な室外機設置場所の条件とは?

室外機の設置場所を決める上で、気を付けるべきポイントは以下の5点です。

  1. 室外機が水平に据え付けられる
  2. 室外機の周りに通気スペースがある
  3. 直射日光に当たらない
  4. 室内機と室外機の距離が近い
  5. 雨ざらしにならない

エアコンの性能は、室外機の設置場所によって大きく左右されます。
設置場所を誤ると、エアコンの効きが悪くなったり、騒音が引き起こされたりする可能性もあります。

まずはそのチェックポイントについて詳しく説明していきます。

1. 室外機が水平に取り付けられる

水平な場所

室外機の取り付け場所は、水平でなければなりません。
室外機が傾いて設置されていると、振動や騒音を引き起こす可能性があるからです。

エアコンを使っている間、室外機は常に振動しています。
しかし、室外機が傾いた状態で据え付けられていると、この振動は増大化し、部屋の中にいても室外機の振動や騒音が気になってしまうことがあります。
そのような事態を防ぐため、室外機は水平な場所に取り付けましょう。
また、止むを得ず傾斜のある場所に取り付ける場合には、専用の架台を使って室外機の土台を水平に整える必要があります。

2. 室外機の周りに通気スペースがある

室外機の周りには、空気を循環させるため、通気スペースを空けておきましょう。
下図は、エアコンメーカーのパナソニックが推奨する、通気スペースの広さです。

<パナソニックが推奨する室外機の通気スペース>
室外機の通気スペース
出典:jpn.faq.panasonic.com

この通気スペースを設けることで、エアコンの消費電力を最小限に抑えることができます。

室外機は冷房運転時、熱を周りに捨てる役割を果たしています。
しかし、室外機の周りに通気スペースがないと、空気を循環させることができず、熱い空気が室外機の周辺に溜まってしまいます。
その結果、室外機は効率的に熱を捨てることができず、エアコンの電力効率は悪くなります。

パナソニックは通気スペースの有無がエアコンの運転に与える影響を以下のように説明しています。

室外ユニットの据え付けは、放熱に必要なスペースとして、前・後・左・右・上・下の3方向を開放し通風路を確保してください。ただし、ベランダの据え付けなどで、やむおえず2方向しか開放できない場合は、冷暖房能力および消費電力が10%程度悪化する場合があります。
出典:jpn.faq.panasonic.com

エアコンを効率的に使い、電気代を最小限に抑えるために、室外機の周りには通気スペースを設けましょう。

3. 室外機に直射日光が当たらない

直射日光

室外機を日光の当たらない場所に設置することも、エアコンの消費電力を抑える方法の一つです。

環境省の調査では、夏場には日向の地面の表面温度は日陰のものに比べて20℃も高いことが明らかになっています。
そのため、室外機が日向に設置されていると、太陽熱の影響で室外機本体が温まってしまい、先ほどの通気スペースの件と同じように、エアコンの消費電力が増加してしまいます。
このような事態を避けるため、室外機は日陰に設置するようにしましょう。

また、室外機の設置場所が日向しか確保できない場合は、室外機にカバーを付けることで、日除けの効果を得ることができます。

4. 室内機と室外機の距離が近い

エアコンの電力効率を最適にするには、室内機と室外機は近くに設置しなければなりません。

<冷房運転のメカニズム>
エアコン冷房運転の仕組み
出典:www.athome.tsuruga.fukui.jp

冷房運転時、室外機では冷たい空気を作り、配管を通して室内機から部屋の中に冷たい空気を送り込みます。
しかし、室内機と室外機の距離が離れ、配管が長くなってしまうと、室外機で作った冷たい空気が配管を通っている間に温まってしまいます。
その結果、部屋の中に届く空気の温度が上がってしまい、部屋の中を冷やすためにより多くの電力が必要になります。
エアコンの効きが悪くならないように、室内機と室外機は可能な限り近くに設置するようにしましょう。

5. 室外機が雨ざらしにならない

雨ざらし

室外機の設置場所は雨に当たらないことが理想的です。

室外機は本来、雨に強い構造になっていますが、長期間雨ざらしにされた場合には、サビなどが原因で室外機の内部に雨水が入り込む恐れがあります。
これにより、エアコン室外機の故障を引き起こしてしまいます。

エアコンを長く使うためには、室外機は雨ざらしにならない場所に置くことが大切です。

以上が理想的な室外機の設置場所の条件です。
これらの条件を満たした場所に室外機を設置することで、エアコンを長く、快適に使うことができます。

室外機の置き場所がない人のための5つの設置方法

前述の通り、室外機の置き場所がない人でも、室外機を取り付けられる可能性があります。
それを可能にする設置方法は以下の5つです。

  1. 天吊り
  2. 壁掛け
  3. 屋根置き
  4. 二段置き
  5. 立ち下ろし

これらの特徴とメリット・デメリット、そして設置するための条件について、詳しく解説していきます。

1. 天吊り

天吊り設置の室外機写真

ベランダの天井に架台を取り付け、その上に室外機を置いて設置する方法です。
この方法は、ベランダの天井に天吊り用の4本のボルトが取り付けられているお部屋でのみ使うことができます。

メリット・デメリットは以下のようになります。

  • メリット:室外機の周りを囲う壁などがないため、通気スペースが確保できる
  • デメリット:ベランダが南向きの場合、直射日光に当たり、電力効率が落ちる

2. 壁掛け

室外機の壁掛け写真

建物の外壁に金具で専用の架台を取り付け、そこに室外機を設置する方法です。
壁掛けの取り付け工事は、脚立で行われるため、室外機の設置場所は地面から2~3mの高さでなければなりません。

メリット・デメリットは以下のようになります。

  • メリット:ベランダのない部屋でもエアコンを使える
  • デメリット:架台に囲われ通気スペースがなくなるため、電力効率が落ちる

3. 屋根置き

屋根置きの室外機

建物の屋根の上に専用の架台を取り付け、その上に室外機を設置する方法です。
屋根置きができるのは、主に建物の1階の屋根のみです。

メリット・デメリットは以下のようになります。

  • メリット:ベランダのない部屋でもエアコンを使える
  • デメリット:日光と雨が直接当たるため、電力効率の低下と故障のリスクがある

4. 二段置き

室外機の二段置き写真

室外機を1台置き、その上に架台を乗せて室外機を2段重ねで設置する方法です。
1台分の室外機の置き場所があれば、設置可能です。

メリット・デメリットは以下のようになります。

  • メリット:室外機2台を1台分の面積に設置できるため、場所の節約ができる
  • デメリット:下段の室外機は上方向への通気ができなくなるため、電力効率が落ちる

5. 立ち下ろし

1階からの立ち下ろし

1階の地面にエアコンの室外機を置き、そこから上層階まで配管を伸ばして設置する方法です。
1階に室外機を置くスペースがあれば、エアコンを使うのが上層階であっても設置することができます。

メリット・デメリットは以下のようになります。

  • メリット:室外機1台分の場所の節約ができる
  • デメリット:室内機を設置する場所が上層階の場合、室外機との距離が離れるため、電力効率が落ちる

以上が、室外機を置く場所がない人のための5つの設置方法です。

上記の中から1つ以上、設置条件に当てはまる方法があった方は、エアコン工事業者に訪問見積もりを依頼してみましょう。
実際にご自宅の状況を見た上で最適な設置方法を案内してもらえます。
エアコン工事業者への訪問見積もりはこちらから依頼することができます。

しかし、上の5つの設置方法でも、室外機を取り付けることができない人はどうすれば良いのでしょうか。
そのような方に紹介したいのが、室外機のいらないエアコンです。

室外機のいらないエアコン

室外機をご自宅に取り付けられない方には、室外機のいらないエアコンである「窓用エアコン」がおすすめです。
窓用エアコンとは、部屋の窓を少し開けて、その窓枠に乗せて取り付けるタイプのエアコンです。

窓用エアコンが一般的な壁掛けエアコンと異なる点は以下の3つです。

  • 室外機と室内機が一体化している
  • 窓枠にエアコン取り付ける
  • エアコンの取り付け・取り外しが自分でできる

その一方で、窓用エアコンにはデメリットもあります。
それは、一般的な壁掛けのエアコンに比べて、部屋の中にも運転音が聞こえやすい点です。

一般的な壁掛けエアコンは、ご存知の通り室外機を部屋の外に設置します。
それに対して窓用エアコンは室外機と室内機が一体化しているため、室外機の運転音が部屋の中でも聞こえやすくなっています。

しかし、窓用エアコンの運転音は、扇風機の強風と同程度といえます。
以下は、窓用エアコンと扇風機の運転音を比較した表です。

<窓用エアコンと扇風機の運転音>

窓用エアコン 扇風機
最大運転音 46dB 42dB

上図から、窓用エアコンの運手音は扇風機とほぼ同じ大きさであることが見て取れます。
そのため、今までお部屋で扇風機を使っていた方ならば、騒音も問題なく窓用エアコンを使用することができるでしょう。

窓用エアコンを設置するための2つの条件

窓用エアコンを取り付けられるのは、以下の条件を満たした部屋です。

  • 部屋の窓の開き幅が47cm以上
  • 窓の高さが78~190cmであること

窓用エアコンの種類によって、上記の条件が多少異なります。
しかし、主要メーカーである以下の3社が製造する窓用エアコンであれば、上記の条件を満たした窓に取り付けが可能です。

<窓用エアコンの主要メーカー>

一般的な壁掛けエアコンの室外機を設置できないご家庭でも、窓用エアコンならば取り付けられる可能性があります。
「室外機が取り付けられないから」とエアコンを諦めてしまう前に、窓用エアコンもご検討してはいかがでしょうか。

【窓用エアコンの人気売れ筋ランキングはこちら】

まとめ

室外機の置き場所がない方でも、設置方法を変えれば室外機を取り付けられる可能性があります。
室外機を置けない人のための設置方法は以下の5つです。

  1. 天吊り
  2. 壁掛け
  3. 屋根置き
  4. 二段置き
  5. 立ち下ろし

ご自宅の条件に合った設置方法が見つかった方は、エアコン工事の専門業者に訪問見積もりを依頼してみましょう。

上記の方法でも室外機の設置ができない方は、窓用エアコンを検討してみてください。
窓用エアコンは室外機と室内機が一体化しているため、室外機の設置場所を用意する必要がありません。

あなたのご自宅に合ったエアコンの設置方法を選んで、快適にエアコンを使いましょう!