賃貸アパートへのエアコン取り付けは大家さんの許可が必要?3つの確認事項

2015年の時点で、日本の住居のおよそ35%を占めている賃貸物件。(平成26年の総務省統計局の発表より)
元からエアコンが備え付けれられている物件も多くなってきました。

しかし、「部屋にエアコンがついていない」、「元から部屋についていたエアコンが故障して使えなくなった」という理由から、賃貸物件に新しくエアコンを取り付けたいと思う方も多いのではないでしょうか。

実は、エアコン工事に関する取り決めは、賃貸物件ごとに大きく異なります。
そのため、エアコン工事を行う前に、契約内容を確認し、大家さん・管理会社と認識合わせをしなければ、思いがけないトラブルを引き起こす可能性もあります。

この記事では、賃貸アパートにエアコンを取り付ける前に、確認しておくべき以下の3つのポイントについて説明していきます。

【取り付け工事をする前に確認すべき3つのこと】
  • エアコン取り付け工事の許可は得られるか
  • 退去時に修繕費用は必要か
  • 取り付け工事費用は誰の負担になるのか

これから賃貸アパートにエアコンを取り付けたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

エアコン取り付け工事の許可は得られるか

エアコン取り付けには大家さんの許可が必要

エアコン取り付け工事を行う前に、まず大家さん・管理会社からエアコンを取り付ける許可を得ましょう。
エアコンの取り付け工事では、室内機を固定するためにネジ穴を開けるなど、家の壁に傷をつける作業が発生するからです。
取り付け工事が完了した後に、大家さん・管理会社とトラブルになるのを避けるため、工事について事前に相談しておくことをおすすめします。

また、部屋の壁にエアコン配管用の穴が開いていない方は、特に注意が必要です。
エアコンを部屋に設置するには、室外機と室内機をつなぐために、直径5~10cmほどの配管穴を開けなければなりません。

しかし、大家さん・管理会社の許可なく、居住者が勝手に家の壁に貫通穴を開けることは、原則禁止されています。
部屋の壁に配管穴が開いていない方は、必ず大家さん・管理会社に連絡し、配管穴の位置まで確認しておきましょう。

退去時にエアコンを取り付けた部分の修繕費用は必要か

退去時の原状回復での修繕費用を確認する

エアコンを新しく取り付ける時には、退去時の修繕費用まで確認をしておくことをおすすめします。
エアコンを取り付けるには、壁に配管穴を開けたり、壁にビス穴を開けて室内機を固定したりと、物件に傷をつける作業がいくつか発生します。
この傷に対して、居住者が修繕費用を求められる可能性があるからです。

賃貸物件の居住者は、退去時には物件につけた傷などを自費で補修しなければなりません。
これを原状回復と呼びます。

原状回復は、国土交通省によって以下のように定められています。

賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損(以下「損耗等」という。)を復旧すること

(出典:www.mlit.go.jp

しかし、上記の「通常の使用を超えるような使用」は、人によって解釈の仕方が異なります。

退去時の原状回復で思いがけない補修費用を求められないためにも、エアコンの取り付け工事を行った場合に修繕が必要かどうかを大家さん・管理会社に確認しておくと良いでしょう。

エアコンの取り付け工事の内容について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
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エアコンの取り付け方

エアコンの取り付け工事費用は誰の負担になるのか

工事費用を大家さんが負担する場合がある

最後に忘れてはならないのが、取り付け工事費用の負担者確認です。
知らない方も多いようですが、エアコンの取り付け工事費用は大家さん・管理会社が負担してくれる場合があります。

大家さん・管理会社がエアコン取り付け工事の費用を負担するのは、以下の2つの条件を満たした場合です。

  • 賃貸借契約書の中に「契約期間中の修繕」の条項があること
  • 賃貸借契約書の中に「設備」としてエアコンが記載されていること

それぞれの条件について詳しく説明していきます。

賃貸借契約書の中に「契約期間中の修繕」の条項があること

賃貸借契約書の基本フォーマットとされている「賃貸住宅標準契約書(改訂版)」には以下のような条項があります。

第 9 条 甲は、乙が本物件を使用するために必要な修繕を行わなければならない。この場合において、乙の故意又は過失により必要となった修繕に要する費用は、乙が負担しなければならない。

(出典:www.mlit.go.jp)

上記の条項によって、大家さん・管理会社には、居住者が物件を利用するために必要となるメンテナンスを行う義務が課されています。
この条項と同様の内容があなたの賃貸借契約書に含まれていれば、大家さんや管理会社から、物件とその設備のメンテナンスを受けることができます。

賃貸借契約書の中に「設備」としてエアコンが記載されていること

一般的な賃貸借契約書の中には、物件とそれに付随する設備を一覧化している箇所があります。
その中にエアコンが含まれていれば、上で述べた大家さん・管理会社によるメンテナンスの対象にエアコンが含まれることになります。

「賃貸住宅標準契約書(改訂版)」の場合、以下のようにエアコンの有無を記載しております。

賃貸住宅標準契約書

(出典:www.mlit.go.jp)

上記の表で、「冷暖房設備:有」となっていた場合は、エアコンが修繕設備の対象に含まれることになります。

ただし、修繕費用を大家さん・管理会社に負担してもらうのは、あくまでエアコン設備を使うためのメンテナンスが必要な場合です。
居住者の都合による取り付け工事の場合は、上記の条件2つを満たしていたとしても、工事費用を負担してもらうことはできません。
契約内容を確認し、大家さん・管理会社と相談して、費用負担者を決めましょう。

また、上記の2つの条件を満たしていない人は、大家さん・管理会社にエアコンの工事費用を負担してもらうことができないため、自費で工事を行う必要があります。
エアコン取り付け工事費用に関する詳しい情報は【エアコン取り付け工事の費用相場】 をご覧ください。

まとめ

最後に、賃貸アパートにエアコンを取り付ける時に大家さん・管理会社に確認すべきことをおさらいしておきましょう。

  • エアコン取り付け工事の許可は得られるか
  • 退去時に修繕費用は必要か
  • 取り付け工事費用は誰の負担になるのか

上記の3つを確認して、大家さん・管理会社とのトラブルを防ぎ、快適にエアコンを使いましょう。

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