引越しを行う際、どうしたらよいか悩むのがエアコンです。
エアコンは簡単に持ち運べるものでもありません
またエアコンの取り外しや取り付けをどこに依頼すれば良いか悩みますよね。
エアコンの取り付け取り外しは実は自分でも行うことができますが、プロの業者におまかせするのが一番です。
かなり大変な作業を要しますし、専用の工具が必要で、費用もそこまで抑えることができません。
引越し業者に依頼したり、専門のエアコン工事会社に依頼したりすることがおススメです。
そこでこの記事では、引越しの際に必要なエアコンの移設工事について解説します。
業者に依頼するにしても、引っ越し業者かエアコン工事会社かどちらに依頼すれば良いかわからないと思います。
記事では両タイプの特徴などについて解説しているので、エアコン移設の参考にしてください。
引越しの際のエアコンの選択肢
エアコンを引っ越し先へ取り付ける場合、次の3つの選択肢があります。
- 引越し業者に合わせてエアコンの引越しも依頼する
- 引越し業者とは別に、エアコン工事の専門業者に依頼する
- 古いエアコンを処分して、新しいエアコンに買い替える
お住まいやお使いのエアコンによって、お勧めの方法は異なります。
次項以降でそれぞれのメリット、デメリットを解説していきます。
業者に依頼する場合にエアコンの引越しにかかる3つの費用
まず、引っ越し業者やエアコン工事会社にエアコンの移設を依頼する場合についてです。
業者に依頼する場合、下記の費用が必要になります。
- エアコン取り外し費用
- エアコンや室外機の運搬費用
- エアコン取り付け費用
- その他追加料金
エアコン工事専門業者と引越し業者のサービスの違いと料金比較は下記の通りとなります。
|
取り外し |
取り付け |
運搬 |
エアコン工事専門業者 |
約6,600円~(税込) |
約13,750円~(税込) |
ー |
8,800円~24,200円(税込。取り付け取り外しセット工事) |
ー |
引越し業者 |
約2万円~3万円(税込) |
引越し業者は専門業者と比べ、中間マージンが挟まるため料金が高くなる傾向にあります。
一方で、運搬もサービスに含まれるため、安心できる側面もあります。
各費用の相場については、下記ページで解説しているので、参考にしてください。
家庭用エアコン取り外し工事の費用と相場
エアコンの取り付け・設置工事の費用
引越し時のエアコン移設費用
エアコン設置の追加工事
両方にメリット、デメリットがあります。
次項で詳しく解説するので、ご自分に合ったサービスを選びましょう。
引越し業者とエアコン専門業者どちらに依頼するのが良い?
エアコンの引越しを、引越業者に依頼するのとエアコン工事専門業者に依頼するのとどちらがお得なのでしょうか。
おすすめなのは引越し事業者に依頼することです。
引越し業者はエアコンの運搬まで行ってくれますが、エアコン専門業者は運搬作業がサービス外となってしまいます。
自分で運搬する場合は、故障の原因にもなってしまうので、プロに任せた方が安心できます。
料金自体は引越し業者の方が高くなってしまいますが、その差は少しです。
運搬業務も任せられるのであれば、引っ越し業者にお願いした方が安心といえるでしょう。
引越業者にエアコンの引越しを依頼する場合のメリット・デメリット
引越し業者にエアコンの引越しを依頼する場合、手続きは簡単です。
引越しの見積もりの際に、エアコンの移設も行ってほしいと伝えるだけで良いからです。
各引越し業者は、エアコンの引越し作業をオプションで付けています。
「エアコンパック」などの名称でセットプランを設けている会社が多いので、見積もり時に申しこみましょう。
料金はホームページ等に記載のない会社が多いですが、相場は2万円~3万円を基本料金としているところが多いです。
追加作業込みかそうでないか、会社によっても異なるので、確実に確認しておくことをお勧めします。
引越し業者にエアコンの移設を依頼する際のメリット・デメリットは下記のものがあります。
【メリット】
- 引越しの見積もりとエアコン引越しの見積もりをまとめてできる
- 運搬も同時に行ってくれる
- 引越しとほぼ同時に取り付け、取り外しを行ってくれる
【デメリット】
- 引越し業者の中間マージンが入るため、専門業者と比べると少し料金が高い
- 専門業者と直接やり取りできないので、追加料金などトラブルになることもある
- 引越しの繁忙期などは対応してもらえないケースがある
故障のトラブルを避けるためにも、運搬を業者が行ってくれる点はエアコン専門業者にないメリットです。
一方、料金などはエアコン専門業者よりも少し高くなっているようです。
多少料金が高くなっても、安全に運んでほしいという方には引越し会社のエアコンパックを利用することをお勧めします。
エアコン取り付け専門業者に依頼するメリット・デメリット
エアコン工事専門業者に直接依頼する場合は、運搬業務がない分、料金は少し安めに設定されています。
ただ、いくつか注意点があります。
故障のトラブルを避けるためにも、基本的に取り付けも取り外しも、同じ業者に任せるのが安心です。
ですが、県外への引越しの場合、エアコン工事専門業者だと、同じ業者に依頼できないケースが多いです。
この場合、取り外しをA社、引越し後の取り付けをB社にお願いしないといけないため、手間も故障のリスクも高くなってしまいます。
また、エアコン専門業者は運搬業務がサービス外のため、自分で行う必要があります。
運搬時は故障が発生するリスクがあるため、できるだけ専門業者に依頼した方が安全です。
エアコン専門業者に取り外しを依頼する場合は、引越し用に梱包も依頼すると安心できます。
引越し業者にエアコンの移設を依頼する際のメリット・デメリットは下記のものがあります。
【メリット】
- 専門スキルを持った人と見積もり、相談できるので、安心
- 料金自体は安い
【デメリット】
- 運搬はサービス外
- 引越し日に合わせて工事日を調整しなければいけない
- 県外引越しの場合、取り付けと取り外しを別々の業者に依頼する必要がある
県外引越しの場合は引越し業者に依頼した方が、手続きも簡単で安全そうです。
エアコンの移設を引っ越し業者、専門業者に依頼するときのトラブル
エアコンの移設を引っ越し業者、エアコン工事専門業者に依頼する場合、トラブルに注意する必要があります。
エアコンの移設工事は、料金や工事品質などトラブルが発生しやすいからです。
エアコンの移設工事で発生しやすいトラブルは下記のものが挙げられます。
- 見積もりと異なる追加料金が発生してしまう可能性がある
- エアコン故障のトラブル
詳細やトラブルを防ぐ方法を解説します。
見積もりと異なる追加料金が発生してしまう場合がある
エアコン工事で最も発生しやすいのが、追加料金のトラブルです。
エアコン工事は、見積もり段階ではわからなかった追加工事が発生することが多いからです。
実際に工事を行い、事前に取っていた見積もり金額と全く異なる金額を請求されるということもあります。
質の悪い業者は、見積もり段階では格安の見積もり金額を提示して契約させ、工事後に多額の追加料金を請求する事業者もあります。
このため、事前に追加工事がないか、あっても何種類もの追加工事が発生することがないか、事前に確認しておくと良いでしょう。
主に発生しやすい追加工事は下記のものがあります。
- 電圧の変換工事
- エアコンの対応電圧と部屋の電圧が合わない場合、電圧の変換工事が必要となります。
6,600円(税込)ほど必要となることがあります。
- コンセントの交換
- エアコンの電源プラグと部屋のコンセントの形状が合わない場合、コンセントの交換が必要になります。
この場合3,300円~(税込)の工事料金が必要になります。
- 配管パイプの交換
- 移設するエアコンの配管パイプが劣化していて利用できない場合、交換が必要です。
1m当たり2,200円(税込)ほどの交換費用が必要です。
- 冷媒ガスの補充
- エアコンに重要な冷媒ガスが漏れている場合、取り付け前に充填する必要があります。
15,400円~(税込)の追加料金が必要になってしまいます。
引越し業者やエアコン工事専門業者に依頼する際は、上記の追加工事がないかしっかり確認しておくとトラブルを防ぐことができます。
見積もり金額と大きな隔たりがないように、注意しておきましょう。
エアコン故障のトラブル
業者に依頼する場合は、作業中にエアコンが故障してしまうトラブルもあります。
エアコンは繊細な機械のため、プロに作業を依頼しても、接続不良などが起こってしまう場合があるからです。
接触不良でガスが抜けてしまっていたり、配線のミスが起こっていたり、原因は様々ですが起こりうるトラブルです。
工事の実施件数の多い業者に依頼するか、保証のしっかりした業者を選ぶことでトラブルを防ぐことができます。
引越し業者にエアコン移設を依頼すると、故障の原因が引越し業者なのか委託で行ったエアコン工事事業者なのか、責任の所在がうやむやになってしまう場合もあります。
トラブルが心配な方は、エアコン工事専門業者に依頼すると良いでしょう。
新しくエアコンを買い替えた方がお得なケース
ここまで、業者にエアコンの引越しを依頼する場合について紹介しました。
ですが人によっては、「古いエアコンを処分して新しいエアコンに買い替える」方法が一番お得に引っ越しができます。
先述しましたが、エアコンの取り付け取り外し工事にも費用が数万円必要です。
買い替えの場合は、これに数万円プラスするだけで、最新のエアコンに買い替えられるからです。
エアコンの取り付け取り外し費用の相場は、約2万円と言われています。
機種にもよりますが、エアコンは5万円ほどから購入できるものがあります。
購入すると、取り付け基本工事費用を無料としてくれるところもあり、お得に買い替えができます。
買い替えがおススメな人は下記のタイプの人です。
- 10年近く同じエアコンを使用している人
- エアコンの省エネ機能が付いていない、もしくは古い機能のものを使用している人
- 引越し先の部屋が大きくなる人
次項で主な理由について紹介します。
10年近く同じエアコンを使用している場合
同じエアコンを10年近く利用している場合は、引っ越しするより、新しく購入した方がお得です。
エアコンの製品寿命は10年と言われており、間もなく買い替えの必要性が生まれてしまうからです。
8年9年同じエアコンを使用している人は、引越し後1~2年で故障してしまう可能性があります。
その場合はせっかく2万円近くの移設工事費用を支払ったのに、また買い替えで支出が増えてしまうことになってしまいます。
まだ使えると思っていても、かえって費用が高くなってしまう場合があるので、古いエアコンを使用している人は、エアコンの移設ではなく買い替えを検討しましょう。
エアコンの省エネ機能が付いていない、古いものの場合
省エネ機能が付いていない機種を使っている人は、最新のエアコンに買い替えることで、年間の電気料金が大きく異なってきます。
最新のエアコンの性能は高く、省エネ機能が付いたものとそうでないものを比較すると、ランニングコストが全く異なるからです。
ダイキンの10年前のRシリーズ14畳モデルと最新のRシリーズ14畳モデルの機種の消費電力の違いを比較してみましょう。
期間消費電力とは、冷暖房機能を1年間利用した場合、年間でどれだけ電力を消費するか示したものです。
期間消費電力に現在1kWh当たりの平均電気料金24円で掛けると、年間でいくら電気料金がかかるか概算を算出することができます。
ダイキンRシリーズの2008年モデルと2018年モデルの期間消費電力と電気料金の概算を比較した表が下記の通りとなります。
|
2018年モデル |
2008年モデル |
期間消費電力 |
1201kWh |
1336kWh |
年間電気料金 |
28,824円 |
32,064円 |
ご覧の通り、10年前の機種と最新の機種を比較しても、年間で3,240円もの違いになります。
年々省エネ性能は上がっており、10年でも大きな違いが生まれています。
新しいもので快適になるばかりか、電気料金もお得になるのであれば、買い替えた方がお得になりますね。
省エネ機能の進化で、古い機種を使い続けるメリットが薄れており、環境や電気代を考えた時に、新しいエアコンの方がお得と言えます。
エアコンを使用する部屋が変わる場合
引越し先の部屋が変わった場合も、買い替えがよさそうです。
使用する部屋の大きさとエアコンの対応畳数があっていないと、エアコンが十分に性能を発揮できないからです。
例えば6畳用のエアコンを10畳の部屋で使用する場合、エアコンは部屋を快適な温度に保とうと頑張りすぎてしまいます。
これでは、部屋がいつまでも良い温度にならないばかりか、無駄な電気代がかかってしまうことになります。
また反対に、10畳用のエアコンを6畳の部屋で使用する場合も、実は無駄が発生してしまいます。
エアコンの効きが良すぎてしまい、室温が上がりすぎたり下がりすぎたりしてしまいます。
微調整をするためにエアコンが無駄に稼働してしまい、こちらの場合も電気代が高くついてしまうことになります。
最適なエアコンサイズを使用することが一番の省エネにつながります。
引越し先の部屋とエアコンの対応畳数が著しく異なってしまう場合は買い替えをお勧めします。
古いエアコンの処分方法
エアコンを買い替える際、困るのが古いエアコンの処分方法です。
エアコンの処分方法は家電リサイクル法で細かく定められています。
間違った処分をしてしまうと、不法投棄の罪に問われたり、処分費用の高額請求を求められたりしてしまいます。
処分にも費用がいくらか必要になってしまいます。
処分方法について、詳しくは「取り外したエアコンの処分費用と無料で回収してもらう方法」で解説しているので参考にしてください。
取り外さずにお部屋に置いたまま引越しする方法もある
賃貸物件の場合、エアコンを部屋に置いたまま引越しをする方法もあります。
この場合は、取り外し費用を掛けずに、引越ができるので、一番お得になりそうです。
ただこの方法は、賃貸物件の管理人や管理会社に確認する必要があります。
賃貸物件には賃借人と賃貸人双方に「原状回復義務」と呼ばれる義務が発生しているからです。
原状回復義務とは、賃貸物件において、新しい入居者を受け入れるために、入居時と同じ条件に戻して貸主に返す義務のことです。
フローリングや壁紙など、傷めた場合に修復費用が必要になるのが、この義務があるためです。
フローリングを傷めた場合などとは異なり、便利なエアコンなので取り外す必要もないように思えますが、エアコンも原状回復義務の範囲に当たる場合があります。
次に入居する人がエアコンを持って入居してきた場合、取り付けられていたエアコンが邪魔になってしまうことがあるからです。
ただ、原状回復義務のエアコンについての判断は管理会社によって異なるので、事前に確認しなければいけません。
置いていって良いものだと思ってそのままにしていると、退去時確認の際に急に取り外しを求められてしまう場合があります。
引越しが決まったら、管理会社に連絡して、エアコンの取り外しが必要か否か、確認しておきましょう。
自分で取り外し、取り付けを行う方法もあるが、お勧めしない
エアコンの引っ越し費用を安く抑えるために、エアコンの取り外し、取り付けを自分で行う方法もありますが、これはオススメしません。
専門技術が必要で故障のリスクが高いだけでなく、実は専門器具を揃えるために費用が必要になり、実はあまり安くならないからです。
取り付けには壁に穴をあける作業なども含まれます。
専門知識がないと、作業に失敗した場合、多額の修復費用が必要になり、自分で行うメリットが全くなくなってしまいます。
こうしたリスクを避けるためにも、専門知識を要するエアコン工事費用は、プロの業者に任せた方が安心といえるでしょう。
それでも自分で行いたい人は、自分で行う方法を下記ページで紹介しています。
参考にしてください。
自分でエアコンを取り付ける方法
自分でエアコンを取り外す方法
家電量販店では基本的にエアコンの移設に対応していない
家電量販店では、基本的にエアコンの引越しに対応していないところがほとんどです。
取り付け工事は新品購入時のみのサービスとしているところがほとんどだからです。
ヤマダ電機やビックカメラなどにエアコンの移設の依頼をしても、対応してくれないので、引越し会社やエアコン工事専門業者に依頼しましょう。
お得なエアコン工事業者の選び方
エアコンサポートセンターでは、一番お得なエアコン取り付け、取り外しの業者を選ぶことができます。
地域や台数、希望日などに応じて、最安値の工事業者を無料で教えてくれます。
費用を抑えたい人は、サイトを利用して、一番お得なエアコン専門業者を選んでください。