エアコンを使用しているうちに、風の吹き出し口から水が飛んでくる、といったような水漏れを経験したことはありませんか。
突然、エアコンから水が出てくるのですから驚きますよね。
そんな時は、あわてずに落ちついて原因を調べてみましょう。
エアコンの水漏れの原因は主に下記のものが挙げられます。
<エアコンの水漏れの主な原因>
ドレンホースの不具合 | ドレンホース内部の詰まり | |
---|---|---|
ドレンホースのたるみ・歪み | ||
ドレンホースの排水口がふさがっている | ||
ドレンホースが逆勾配 | ||
エアコン内部の不具合 | フィルターの汚れによる目詰まり | |
熱交換器(アルミフィン)の汚れ | ||
ドレンパンの汚れ | ||
その他の不具合 | 室内機が傾いている | |
雨水が侵入している | ||
冷媒ガスの漏れ・不足 |
エアコンの水漏れの原因のほとんどがドレンホースと言われています。
まずはドレンホースを確認し、原因がどこにあるか探っていきましょう。
今回は、エアコンの水漏れの原因とその対処法について見ていきます。
クーラーの水漏れ症状別の原因
エアコンから水漏れは発生する原因は大きく分けて次の3つに分けられます。
- ドレンホース関連の不具合
- エアコン内部の不具合
- その他
原因によって対処法が異なるため、まずはどこに原因があるのか当たりを付けることが必要です。
水漏れの原因は、水漏れの症状によって下記のようにある程度予測を立てることができます。
<エアコンの水漏れの症状と原因>
- 風向板からしぶきのように水が飛んでくる
- エアコン内部の汚れなど
- 吹き出し口からポタポタと水滴が垂れる
-
排水ができていない場合:ドレンホース
排水ができている場合:エアコン内部の汚れなど - 室内機の裏側の壁が水で濡れる
- ドレンホース
それぞれ詳しく見ていきます。
風向板から水しぶきが飛んでくる
クーラーの風にあたっていて、時折水しぶきがかかってくるように感じる場合、エアコン内部のクリーニングが必要です。
エアコン内部の汚れのせいで、結露した水がエアコンの風に乗って飛んでしまっていることが原因として考えられるからです。
エアコンは外部の温かい空気を冷たい空気に変えて排出する仕組みです。エアコン内部では大きな温度差が生じるため、結露が発生しやすくなっています。暑い日に氷を入れた冷たいグラスに水を注いだ時、グラスに結露が発生しますが、同様のことがエアコン内部で発生しています。
掃除が行き届いたきれいなエアコンの場合、結露した水を正しく室外へ排出できる構造になっているうえ、結露防止材なども正常に働きます。しかしカビやホコリなどでエアコン内部の汚れが溜まっていると、結露を防止する仕組みが正常に働かなくなります。
その結果、結露した水がエアコンの風に乗って水しぶきのように飛んでしまいます。
しぶきのようになって水が飛んでくる場合は、自分でエアコン内部を清掃したり、エアコンクリーニング業者に依頼したりして、エアコン内部の汚れを取るようにしてください。
エアコン内部が原因の水漏れの対処法については「エアコン内部の異常と対処法」で紹介しているので参考にしてください。
吹き出し口からポタポタ水滴が垂れる・壁が濡れる
エアコンの吹き出し口から水滴になって水が漏れてくる場合は、室外に出ているドレンホースから正しく排水できているかどうか確認して下さい。
エアコンをつけた壁面が水で濡れている場合も同様です。
水滴のように大きな固まりとなって出てくるということは、エアコン内部で多量の水が溜まってしまっていることが原因として考えられるからです。
ドレンホースとは室外機側にある蛇腹状のホースで、エアコン内部で結露などとして生じた水を、室外へ排出するための役割を果たしています。
ただしドレンホース内で詰まりなどがあると、排水がうまくできず、ホース内に水がどんどん溜まってしまいます。
排水されるはずの水が逆流し、エアコンの吹き出し口から水が垂れてしまいます。
ただし、排水がある程度出来ている場合は、エアコン内部の汚れが原因である可能性があります。
まずはポタポタとした水漏れの場合はドレンホースが正しく排水できているか確認するようにしましょう。
詳しいチェック方法や対処法は「ドレンホースの異常と対処法」で解説します。
ドレンホースの異常と対処法
エアコンの水漏れが発生している最、ドレンホースでよくある不具合は下記のものがあります。
- 詰まり
- たるみ・歪み
- 排水口がふさがっている
- 逆勾配になっている
エアコンの水漏れに関するトラブルのうち、約8割がドレンホースに関連する不具合と言われています。
水漏れがあった際はドレンホースに原因がある可能性が高いので、上記をチェックしましょう。
それぞれの対処法を解説します。
ドレンホース内部に詰まりがある
ドレンホース内部に枯れ葉などのゴミや虫の死がいが詰まると、結露水が排水されずホース内に水が溜まり、エアコンから水が漏れるようになってしまいます。
この場合は詰まりを解消するだけで、エアコンの水漏れを解消することができます。
ホースの排水口近くで詰まりがある場合は、割りばしなどで詰まりの原因となっているごみを掻き出すようにしましょう
掃除機を使って詰まりを取る
割りばしなどでは届かないようなホースの深くに詰まりがある場合、掃除機で吸い出す方法もあります。
用意する物は次の3点です。
- 掃除機
- 不要なタオル、ガーゼなどの薄い布
- 輪ゴムやヘアゴム
まず、タオルなどの布でドレンホースの口を覆い、輪ゴムなどで留めてください。
その後、掃除機で詰まりがとれるまで吸い出しましょう。
この際、詰まりが取れると同時に、溜まっていた排水も勢いよく流れてしまう可能性があります。
掃除機が水も吸ってしまうと故障の原因となるので、一気に吸い込むのではなく、少しずつ停止させながら吸うようにしてください。
またドレンホースの口を少しだけ上にして吸うようにすれば、水が流れ出ても掃除機で吸ってしまうリスクを下げることができます。
ドレンホースクリーナーを使う
掃除機で詰まりを取るのは故障が心配という方は、専用の「ドレンホースクリーナー」を使って詰まりを取る方法があります。
下記の方法でドレンホース内の詰まりを取ることができます。
- 本府本体をドレンホースに接続する
- ハンドルを前後に動かして詰まりを取る
- 詰まりが解消されたら汚水が排出される
ドレンホースクルーナーは価格が1,000円前後するものですが、簡単な作業でドレンホース内の詰まりを除去することができます。
「家庭用の掃除機を使いたくない」という人はドレンホースクリーナ―で詰まりの除去を行って下さい。
ドレンホースにたるみ・歪みがある
ドレンホースが地面に対してまっすぐ伸びておらず、たるみや歪みがあると、排水が上手に出来ず、ホース内で水が溜まってしまいます。
たるみや歪み部分で水が溜まってしまい、排水が逆流してエアコンからの水漏れの原因となります。
またドレンホースの排水口が上を向いてしまっている場合も排水が溜まる原因となってしまいます。
ホースが途中で上に向いている部分があったり、たるみがあったりすると、水の流れが悪くなりうまく排水ができません。
ドレンホースはできるだけ、曲がることなく地面に対してまっすぐ伸びている状態が理想です。ホースの排水口も地面に対して向いていると排水がスムーズにいきます。
間取り上どうしてもドレンホースをまっすぐ伸ばせられない場合は、水が上から下へスムーズに流れる通り道をイメージしてドレンホースを調整してください。
物や水たまりでドレンホースの排水口がふさがっている
ドレンホースの排水口が植木や水たまりなどでふさがってしまっていると水漏れの原因になります。
とくに注意してほしいのは水たまりです。
水たまりは排水に影響がなさそうに思えますが、水圧の関係で排水がうまくできない原因になります。
ドレンホースから排水した水が、排水溝までうまく流れずにホースの排水口付近で水たまりとなってホースの口をふさいでしまっていると、水漏れの原因となります。
雨の日など水たまりになりやすい場所にドレンホースを配置しないように注意してください。
ドレンホースが逆勾配になっている
室内機から伸びるドレンホースの傾きが逆勾配になっているとエアコンの水漏れの原因となります。
水は高いところから低いところへ流れるので、少しでも逆勾配の坂道になっていると、排水がうまくできず、逆流する原因となってしまいます。
ドレンホースの逆勾配は、エアコン取り付け時の施工不具合の可能性が高いです。
他の原因と異なり、自分では直せない不具合なので、エアコン修理業者に依頼して、逆勾配を直してもらうようにしてください。
エアコン内部の異常と対処法
エアコン内部に問題がある水漏れは、エアコンの汚れが原因であることがほとんどです。
フィルターなどは自身で掃除することも可能ですが、汚れの場所などによってはご自身でやらず、エアコンクリーニング業者などに依頼した方が、故障の心配もありません。
水漏れの原因になりやすいエアコン内部の汚れは下記の通りです。
<エアコンの水漏れの原因になりやすいエアコン内部の不具合>
- フィルターの汚れで目詰まりを起こしている
- 熱交換器の汚れ
- ドレンパンの汚れ
- フィンの結露
それぞれ原因と対処法を詳しく見ていきます。
フィルターの汚れで目詰まりを起こしている
エアコンのフィルターにホコリやカビがつき、目詰まりを起こしていると水漏れを起こしやすくなります。
フィルターの汚れが多いと、エアコンの効きが悪くなり、結露が発生しやすくなるからです。
フィルターに汚れが溜まっていると、エアコンの効きが悪くなり、設定温度を下げてしまいがちです。
設定温度を下げることで、エアコンのフィンが冷やされて、結露が発生しやすくなってしまいます。
発生した結露が増えすぎると、うまく排水されずにエアコンの風向板に落ち、水しぶきのように水が漏れてくることがあります。
フィルターの掃除をする
エアコンフィルター掃除は自分で行うことができます。
下記の手順でフィルターの清掃ができます。
<エアコンフィルターの掃除方法>
- エアコンの本体カバーを外す
- フィルターがエアコンに付いた状態のまま掃除機で簡単にホコリを取る
- フィルターを外す
- 表側のホコリを掃除機で吸う
- 裏側に付いたホコリやカビは、水洗いして取る
- タオル等でフィルターを挟むようにして水気を取る
- 乾燥させ水気が完全になくなったらエアコンに付け直す
エアコンフィルター清掃だけならクリーニング業者に依頼しなくても自分で簡単に出来てしまいます。
ドレンホースではなくエアコン内部に問題がありそうな場合は、まずフィルターに汚れが溜まっていないか確認しましょう。
熱交換器(アルミフィン)の汚れ
熱交換器のアルミフィンに汚れが溜まっていると、冷房効率が悪化し、水漏れの原因となります。
熱交換器とは、室内に取り込んだ空気を温かくしたり、冷たくしたりする薄いアルミ板が並んだ部品です。
室内機の熱交換器は冷媒ガスが充填されたパイプを通じて、室外機の熱交換器とつながっており、室内の温度の上げ下げを行っています。
しかし、熱交換器のアルミフィンに汚れが溜まっていると、熱交換がうまく行われず、霜が付着してしまいます。
この霜が溶けると室内機から水漏れが発生してしまいます。霜が十分溶け切らない状態の場合は、氷のような状態でエアコンの吹き出し口から飛ぶこともあります。
熱交換器はエアコン内部でも最も水が発生しやすい部位のため、熱交換器の異常は水漏れの原因となりやすいです。
水漏れ発生時はエアコンのフィルターを外して、熱交換器に汚れが溜まっていないか確認するようにしてください。
エアコン修理・クリーニング業者に依頼する
エアコンの熱交換器の洗浄は自分で行わず、エアコンクリーニング・エアコン取り付け業者などに依頼するようにしましょう。
熱交換器は取り外しが難しく、十分な汚れの除去には専用の洗剤などが必要になるからです。
またエアコンの大事な部品になるため、故障を防ぐためにもクリーニング業者への依頼をおすすめします。
ドレンパンの汚れ
エアコン内部で発生した結露水を排水するドレンパンに汚れが蓄積している場合も、水漏れの原因となります。
ドレンパンは熱交換器などで発生した結露水を排水するため、熱交換器の下部に、ドレンホースに向かって勾配して設置されているトレーのような部品です。
結露水を排出する部品のため汚れが溜まりやすい部位ですが、汚れがひどい場合は溜まった水がうまく排水されず、水漏れしてしまう場合があります。
また異臭の原因にもなるため、ドレンパンの汚れは速やかに除去した方が衛生的にも安全です。
エアコン修理・クリーニング業者に依頼する
ドレンパンの洗浄もエアコンのクリーニング業者や修理業者に依頼するようにしましょう。
ドレンパンは取り外しが難しいうえ、取り付けが上手にできないと、かえって水漏れを悪化させてしまう原因となってしまうからです。
自分でやってしまうと、かえって修理費用で高くつき、はじめからプロに依頼した方が安くなることがあります。
ドレンパンは自分で洗浄しようとせず、プロの技術に任せるようにしましょう。
エアコンの水漏れのその他の原因
ここまで、よくあるエアコンの水漏れの原因と対策を解説しました。
上記以外にも割合としては稀ですが、水漏れの原因として下記の要因が考えられます。
新品で購入した直後など、汚れが原因ではない場合は下記要因の可能性があります。
<エアコンの水漏れの稀な原因>
- 室内機が傾いている
- 雨水が侵入している
- 冷媒ガスの漏れ・不足
- 部品の劣化・故障
ドレンホースやエアコン内部の汚れが原因でない場合は、上記を確認してみましょう。
それぞれ詳しく解説します。
室内機が傾いている
室内機が左右に傾いている場合、水漏れの原因となります。
先述したドレンパンは結露した水を排出する役割を持っていますが、室内機が並行に取り付けられていないと排水がドレンホースに流れず、水漏れの原因となってしまいます。
例え天井や床に対して並行でも、家屋自体に傾きがあると水漏れが発生してしまいます。
エアコン取り付け工事の施工不良により発生することがあります。
工事保証を行っている施工業者なら無料で施工し直してくれるので、工事のやり直しを依頼してみましょう。
雨水が侵入している
雨が降った日に水漏れが発生しやすいという場合は、雨水が内部に侵入している可能性が高いです。
雨水がエアコン内部に侵入するケースは主に下記の2つがあります。
- エアコンのスリーブ穴のパテ埋めが十分でなく隙間がある
- 室外機が室内機よりも上部にあり、配管が劣化している
上記の場合はエアコン修理業者に依頼しないと直すのが難しいです。
また雨水の侵入の場合、エアコンの水漏れと異なり、壁材など家屋の劣化に繋がりやすいです。
雨水が侵入している場合は早めにエアコン修理業者に依頼するようにしましょう。
冷媒ガスの漏れ・不足
エアコンのパイプ内を循環している冷媒ガスが不足していると、水漏れがしやすくなります。
熱交換器で十分に熱交換ができず、霜が発生しやすくなってしまうからです。
パイプ内のどこかでガスが漏れている可能性が高く、漏れている箇所の修復と再充填が必要です。これらの作業は自分では行えず、エアコン修理業者に依頼する必要があります。
エアコンをしばらく運転し、停止させてから室内機のフィルターを外し、熱交換器に霜が多数付着していたらガスが不足している可能性があります。
エアコンの水漏れが、冷媒ガスの不足に原因がある場合は、エアコン修理業者に修理を依頼しましょう。
分解修理などが必要な場合はエアコン修理・クリーニング業者に依頼
エアコンの水漏れの原因と対処法について解説してきました。
自分で対処できる原因もありますが、クリーニング業者・修理業者に依頼しないと解決が難しいものもあります。
纏めると下記の通りとなります。
<エアコンの水漏れの原因と対処>
不具合の箇所 | 具体的な水漏れの原因 | 対処法 |
---|---|---|
ドレンホースの不具合 | ドレンホース内部の詰まり | 自分で可能 |
ドレンホースのたるみ・歪み | 自分で可能 | |
ドレンホースの排水口がふさがっている | 自分で可能 | |
ドレンホースが逆勾配になっている | 業者に依頼 | |
エアコン内部の不具合 | フィルターの汚れによる目詰まり | 自分で可能 |
熱交換器(アルミフィン)の汚れ | 業者に依頼 | |
ドレンパンの汚れ | 業者に依頼 | |
その他の不具合 | 室内機が傾いている | 業者に依頼 |
雨水が侵入している | 業者に依頼 | |
冷媒ガスの漏れ・不足 | 業者に依頼 |
ドレンホースが原因の多くは自分で対処できますが、エアコン内部の汚れについてはクリーニング業者に依頼した方が確実です。
また室内機の傾きや雨水の漏水などは、自分で修理することは難しいため修理業者に依頼するようにしましょう。
また、エアコンの適度な使用は水漏れ防止にもつながります。
エアコンは低温で長時間稼動させるのではなく、生活に合った使用を心がけましょう。
エアコンサポートセンターでは、施工実績の豊富なエアコン取り付け業者をご紹介しています。
エアコンのことで気になることがある、というご質問もお受けしています。
ご相談は無料です。
お気軽にお電話ください。