エアコンを部屋に取り付ける際、どの位置に取り付ければよいか迷ってしまうことはありませんか。
エアコンの本体が収まるからといって適当なスペースに設置してしまうと、エアコンの機能をフル活用できません。
エアコンを効率よく稼動させるには、部屋の適切な位置に取り付けることが重要です。
適切な位置にエアコンを設置できれば、室内に安定した冷暖房が行き渡り、快適に過ごすことができます。
今回は、エアコンの適切な取り付け位置と高さについて、実例を参考にしながら見ていきたいと思います。
エアコンを取り付けるために必要な条件
エアコンの機能をフルに発揮させるために、以下の3点取り付け位置を定めましょう。
- 室内機の設置位置
- 室内機の配管穴
- 室外機の設置位置
それではエアコンの取り付け位置について詳しく見ていきます。
室内機の設置位置
室内機の設置位置は、冷暖房の循環やリモコン操作がスムーズに行えるようにするために、以下の点に気をつけます。
- 天井の高さが、2.4メートル以内の場所(床面から1.8~2.3メートル)
- 室内機上部、左右に約5cmのスペースを取る
- 冷風・温風の出る吹き出し部分が上下に動けるようなスペースを取る
- リモコンの信号が妨げられないよう、テレビ、ラジオ、無線機、蛍光灯から1m以上、電話から2m以上の距離がある
また、冷媒ガスの循環や排水を正常に行うため、右配管か左配管、もしくは埋め込み配管であるかも確認します。
室内機の設置スペースは、機種によって若干異なるので、据付説明書やメーカーのサイトをよく読んで確保してください。
室内機の配管穴
室内にエアコンを設置するには、室内機と室外機をつなぐための、壁穴が必要です。
壁穴は、家屋を補強する筋交いや柱を傷つけないように開けなければなりません。
しかし穴あけの作業は、エアコンの知識だけでなく、家屋構造の知識も必要となるので、一般の方による確認や施工は難しいです。
自信があってもDIYでは行わず、専門の業者へ依頼することをお勧めします。
穴開け作業については、エアコンを取り付けるための壁の穴開け工事とは?に、詳しく書かれています。穴あけを検討する方はご一読ください。
室外機の設置位置
室外機は、放熱がスムーズに行われるよう、周囲に十分なスペースをとる必要があります。
各メーカーによって、スペースの広さに若干差があるので、据付説明書やメーカーのサイトで確認しましょう。
また、寒冷地などは、積雪により吸込口や吹出口が塞がれないように注意します。
エアコンの室外機がない!そんなときに知っておくべき5つの設置方法には、室外機の設置について詳しくかかれていますので、ご一読ください。
効率的にエアコンを使うための取り付けをするなら
エアコンの取り付け位置は、風通しが良く、エアコンから送り出した冷風が滞りなく部屋の中に行き渡るところ、ということが大前提です。
この点と、前述した条件に合う位置にエアコンを取り付けましょう。
詳しくは、効率的にエアコンを使うための室内機の取り付け位置に記載されていますので、そちらを参考にしてください。
エアコン取り付けの位置や高さにまつわるトラブル事例
いざエアコンを部屋に取り付ける、というときになって、上手く設置できない場合があるようです。
そのような時はどう対応すればよいのでしょうか。
また、事前にどういった対策が必要になるのかについて、以下に挙げる6つの実例を参考に、詳しく見ていきたいと思います。
- 窓やカーテンレールの高さとぶつかる
- 筋交いに干渉してしまう
- 部屋にエアコンの影ができる
- 室内でエアコンが目立ってしまう
- 風が直接あたる
- クローゼットとぶつかる
窓やカーテンレールの高さとぶつかる
エアコンが窓と天井間のスペースに上手くはまらず、往生してしまうケースがあります。
一般的な家屋は、床から窓の上辺までの高さが約2.4mです。窓の上辺から天井までは約40㎝しかありません。
そこに、約30㎝の本体高を持つエアコンを取り付けることになるので、スペースがギリギリになる場合が少なくないのです。
窓やカーテンレールの上にエアコンを取り付ける場合は、家の施工前に、設計士や施工業者と、窓を低くするか窓のサイズを小さくする、または、天井の高さを上げる、といった相談をしておきましょう。
筋交いに干渉してしまう
家の構造を保つ筋交い(すじかい)は、柱に対して斜めになるように家屋内に配置されている補強材です。
柱と同じく、家屋を支える重要な部分なので、エアコンの穴開け作業で傷つけるようなことがあってはなりません。
一度穴を開けると元には戻せないので、以下の点に注意して事前に補強材の有無と位置を確認してください。
- 設計図を用い、家屋内の筋交いの有無や向きを調べる
- 筋交いを傷つけずに穴開けができるよう、家の設計図を用意し、家屋内の筋交いの有無や向きを調べます。自己判断は難しいので、専門の業者に確認してもらってください。
- エアコンの電源があれば、コンセントカバーを外し壁の中をチェックする
- コンセントカバーを外すと、家屋内部の補強材の位置が確認できます。もし、コンセントがない場合は、壁に極小の穴を開け、筋交いの位置を確認します。
もし筋交いとぶつかる場合は、室内のほかの場所にエアコンを設置できるよう、設置場所を検討し直します。
一般の方による、筋交いの確認や壁への穴開け作業はお勧めできません。
自宅の設計図を用意し、施工業者に相談したうえで慎重に行ってください。
部屋にエアコンの影ができる
間接照明や凝った照明を設置する場合、エアコンが邪魔になり、影ができることがあります。
家ができあがるまで気づきにくい点ですが、対策として、間接照明に影響するような位置にエアコンを取り付けないようにします。
家を作る前に、照明の完成イメージとエアコンの設置について、設計士や施工業者とよく相談しておくとよいでしょう。
室内でエアコンが目立ってしまう
部屋のインテリアとエアコン本体がマッチせず、エアコン本体だけが白く浮くように目立つ、という場合は、以下の対策が考えられます。
- 格子状にしたスペース内にエアコンを収納する
- デザイン性の高いエアコンを設置する
- エアコンを天井付けか全館空調にする
- 格子状にしたスペース内にエアコンを収納する
- この方法だと、エアコンがきれいに収納され、インテリアに統一感が生まれてすっきりします。ただ、通常の設置に比べて、エアコンの稼動効率は落ちてしまいます。少しでも稼動効率を上げるために、格子部分を細くするなど収納方法を検討しましょう。
- デザイン性の高いエアコンを設置する
- ダイキンからは「risora(リソラ)」、三菱電機からは「FLシリーズ」といったエアコンが発売されています。スタイリッシュなデザインときれいなカラーバリエーションが特長です。部屋のインテリアに合った一台を見つけることができるかもしれません。
- エアコンを天井付けか全館空調にする
- エアコンを天井に埋め込む方法や全館空調にすると、インテリアのミスマッチ感を減らすことができます。ただしこの方法は、費用と修理の手間がかかります。家の中にエアコン設備を埋め込むので、通常の壁に設置するタイプのエアコンよりも複雑な施工が必要となるからです。また、修理の際は壁を壊すなどの作業が出てきて、さらに出費が嵩む可能性があります。これらの方法を取り入れる際は、設計士と施工業者に、費用面と修理の手間をしっかり確認したうえで検討しましょう
風が直接あたる
エアコンから直接風が当たると、体が冷えてしまい、体調を崩してしまう場合があります。
そのような状態を避けるため、ソファやベッドといった休息スペースに直接風が当たらない位置にエアコンを取り付けます。
そうすることで、室内で快適に過ごすことができます。
また、エアコンの稼動初めは、部屋に冷暖房を行き渡らせるために、自動的に強風稼動となる場合が多いです。
書類や、細かいもの、軽いものを扱う部屋でも、作業スペースに直接風が当たらないよう、エアコンの取り付け位置を考慮します。
クローゼットとぶつかる
クローゼットのある部屋でエアコンを取り付ける際に注意したいのが、折れ戸のあるクローゼットがある場合です。
折れ戸式のクローゼットは高さが約2.3mタイプのものが多く、エアコンを取り付ける際にぶつかってしまい、取り付けられないケースが見受けられます。
このような場合は、設計士や取り付け業者と相談して、折れ戸のあるクローゼットから離れたところにエアコンを設置するよう検討します。
まとめ
部屋にエアコンを取り付ける際は、設置する位置と高さに気をつけなくてはなりません。
以下の条件に当てはまる位置を確保して取り付けましょう。
- 天井の高さが、2.4メートル以内の場所(床面から1.8~2.3メートル)
- 室内機上部、左右に約5cmのスペースを取る
- 冷風・温風の出る吹き出し部分が上下に動けるようなスペースを取る
- リモコンの信号が妨げられないよう、テレビ、ラジオ、無線機、蛍光灯から1m以上、電話から2m以上の距離がある
できれば家の施工に入る前に、施工業者とエアコンの取り付け位置について打ち合わせをしておくと、取り付けが確実です。
エアコン取り付けのための設置状況の確認は、見極めが難しい部分もあるので、専門の業者へ依頼することをお勧めします。
エアコンサポートセンターでは、施工経験の豊富な業者をご紹介しています。
エアコンの設置でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。